2023 Fiscal Year Annual Research Report
橋渡し研究の推進による特発性炎症性ミオパチー克服へ向けた運動処方の基盤創出
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21H03292
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
山田 崇史 札幌医科大学, 保健医療学部, 准教授 (50583176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 大輝 大阪体育大学, 体育学部, 助手 (30823281)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 特発性炎症性ミオパチー / 神経-筋電気刺激 / 高強度間欠的運動 / PGC-1α |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の全体構想は,特発性炎症性ミオパチー(IIM)に対する安全で効果的な運動処方の基盤創出である.2021年度には,課題1「高強度間欠的運動の神経-筋電気刺激への応用と作用メカニズム解明」として,正常マウスに対する神経-筋電気刺激を用いた高強度間欠的運動の効果を検証した.その研究成果を踏まえ,2022年度では,課題2「IIMに対する高強度間欠的運動の効果検証」を実施した.これらの結果,我々の仮説通り,正常およびIIMモデル動物における高強度間欠的運動による持久力改善効果が,ミトコンドリア生合成の主要な制御因子であるPGC-1αの増加を伴うことが明らかとなった.そこで,2023年度では,当初の予定通り,課題3「IIMに対する高強度間欠的運動の作用メカニズム解明」について,IIMモデルマウスにおいてPGC-1α過発現の影響を検討した.8週齢のC57BL/6N系(WT)マウス(雌性)および筋特異的PGC-1α過発現(Tg)マウス(雌性)を無処置群およびEAM群に分けた(WT群, WT+EAM群, Tg群, Tg+EAM群).EAMは,ラットミオシンとフロイント完全アジュバントを含む混合物を1週間おきに3回投与することで作成した.3回目の投与の2日後に,麻酔下にて神経筋電気刺激を用い,筋持久力を測定した.WT+EAM群およびTg+EAM群のいずれにおいても,WT群およびTg群に比べ,脾臓重量が顕著に増加するとともに,下腿三頭筋を構成する筋群(ヒラメ筋,足底筋,腓腹筋)の重量が同程度低下した.一方,Tg群およびTg+EAM群では,WT群およびWT+EAM群に比べ,疲労耐性が著しく向上した.したがって,これらの知見より,正常およびIIMモデル動物において観察された,高強度間欠的運動による持久力改善効果のメカニズムには,PGC-1αが関与することが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度には,当初の予定通り,筋特異的PGC-1α過発現マウスを用い,高強度間欠的運動による筋持久力改善効果に,PGC-1αが関与することを示すことができた.当初予定していたPGC-1α欠損マウスを用いた効果メカニズムの検討に関しては,動物の繁殖がうまく行かず実施できていないが,2023年度に実施する予定であった主要な実験に関しては着実に遂行し,予想通りの研究成果を得ることができたことから,現在までの達成度として,おおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
課題3「特発性炎症性ミオパチー(IIM)に対する高強度間欠的運動の作用メカニズム解明」に関しては,当初予定していたPGC-1α欠損マウスを用いた検討が繁殖不良により断念せざるを得ない状況にあるが,PGC-1α過発現マウスを用い概ね達成することができた.したがって,2024年度は予定を変更し,課題1「高強度間欠的運動の神経-筋電気刺激療法への応用と作用メカニズム解明」について,高強度間欠的運動の効果を決定する主要な電気刺激条件について,特に収縮頻度に着目し詳細に検討することとする.
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