2022 Fiscal Year Annual Research Report
運動による骨格筋幹細胞のエピゲノム記憶の解明と女性のサルコペニア予防への応用
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21H03296
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
町田 修一 順天堂大学, 大学院スポーツ健康科学研究科, 教授 (40421226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石神 昭人 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 副所長 (50270658)
川西 範明 千葉工業大学, 先進工学部, 教授 (00706533)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 筋サテライト細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、サルコペニアモデル動物を用いて、閉経前後における運動習慣の有無が、高齢期骨格筋に存在する筋サテライト細胞にエピゲノム記憶として保存され、筋再生能の低下や筋肥大効果の軽減の改善に寄与できるかどうかについて明らかにすることを目的とする。 2022年度は、不活動および加齢による筋サテライト細胞のエピゲノム制御に及ぼす影響を検討するために、主に2つの実験を行った。不活動の影響を検討するために、3~5ヶ月齢のF344系雌性を用いて、安静飼育(R)群と不活動(I)群に分類した。I群には10日間、両下肢を足関節角度底屈位にし、キャスティングテープを用いてギプス固定を実施した。ギプス固定後、筋萎縮が認められた下肢骨格筋(ヒラメ筋、足底筋、腓腹筋、大腿四頭筋)を摘出し、筋サテライト細胞を単離し初代培養を行った。その結果、10日間の不活動によって、筋サテライト細胞の増殖機能に有意な低下が認められた。さらに、筋サテライト細胞を免疫染色法で検討した結果、Pax7陽性/MyoD陽性細胞比の有意な減少とPax7陰性/MyoD陽性細胞比の劇的な増加が認められた。本研究の結果は、ギプス固定による不活動刺激が筋サテライト細胞の増殖機能低下と筋分化促進を誘導していることが示唆され、エピゲノム記憶として保存されている可能性が高い。また、加齢による筋サテライト細胞のエピゲノム制御に及ぼす影響を検討するために、若年期および高齢期の筋サテライト細胞からDNAを抽出し、オープンクロマチン領域の網羅的解析の条件設定を行い、分析と解析の指摘条件を決定することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
若年期と高齢期の各骨格筋から単離した筋サテライト細胞を用いて、加齢や運動習慣(不活動)によって特異的に変動するエピゲノムを同定する必要がある。高齢期ラットのサンプル数を確保するために当初の計画よりも時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、最終的には閉経前後での運動習慣が筋サテライト細胞のエピゲノム記憶に及ぼす影響を明らかにすることを目的としている。そのため、高齢期ラットを用いて、閉経前後での筋サテライト細胞で特異的に変動するエピゲノムの同定を急ぐ。
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