2021 Fiscal Year Annual Research Report
皮質-基底核ループの抑制機能を高め、技能定着を促進する運動学習パラダイムの開発
Project/Area Number |
21H03310
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
佐藤 大輔 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (60544393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山代 幸哉 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 准教授 (20570782)
濱田 雅 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40708054)
塗木 淳夫 鹿児島大学, 総合科学域総合教育学系, 准教授 (50336319)
児玉 直樹 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (50383146)
大鶴 直史 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (50586542)
大西 秀明 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (90339953)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 運動学習 / 想起抑制 / 皮質-基底核ループ / 経頭蓋磁気刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、課題1)皮質-基底核ループによる抑制機能の時間的変動を評価する指標の確立に向けて、two-coil 経頭蓋磁気刺激の刺激パラダイムを検討した。大脳皮質への刺激によって深部の大脳基底核の活動を評価するため、MRIでの構造画像およびfMRIでの機能的結合性を評価し、刺激部位の特定・刺激間感覚を検討した。一定の刺激間間隔での刺激によって運動誘発電位の変化が認められた。また、反応の安定性・再現性の確認が必要であることが確認された。 課題2) 技能定着に伴う抑制機能の変化の解明と技能定着を促進する学習パラダイムの開発で用いる、『想起抑制』の理論を基盤に、意図的に抑制機能を駆動する運動学習システムの基盤構築およびプロトタイプの作成を進めた。先行研究をもとに、3次元力覚デバイスのセットアップ、プログラム作成、実験環境整備を行った。しかし、運動学習中の動作速度、発生させる力場、姿勢、ポジションといった実験環境の詳細を決めることができず、2022年度の課題となった。 また、上記の評価システム構築と並行して、運動学習中の抑制機能を駆動する反応抑制の種類を検討するために、多感覚情報よるaction postponingおよびaction cancellationを評価するシステムを構築し、視覚・聴覚・体性感覚情報に基づく抑制機能を比較した。その結果、外部入力を予測し、行動開始を遅らせるaction postponingは聴覚・体性感覚モダリティにおいて高かったが、外部入力によって行動を中止するaction cancellationは3つのモダリティ間で違いが認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
皮質-基底核ループによる抑制機能の時間的変動を評価する指標の確立に向けて、two-coil 経頭蓋磁気刺激の刺激パラダイムを検討したものの、反応の安定性・再現性の確認が必要であることが確認されたため。また、意図的に抑制機能を駆動する運動学習システムの構築に不可欠な3次元力覚デバイスの海外メーカーからの輸入に時間がかかり、システム構築開始が遅れてしまったため。
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Strategy for Future Research Activity |
予定より遅れているものの、『想起抑制』の理論を基盤に、意図的に抑制機能を駆動する運動学習システムのプロトタイプは完成したため、2022年度中には、システムを構築し、研究課題全体の遂行を進める。
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Research Products
(10 results)