2021 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア機能に着目した糖尿病における呼吸筋機能低下メカニズムの解明
Project/Area Number |
21H03329
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
関根 紀子 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 客員准教授 (10393175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉原 利典 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助教 (20722888)
福 典之 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 先任准教授 (40392526)
小林 裕幸 筑波大学, 医学医療系, 教授 (70536218)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 横隔膜 / 糖尿病 / ミトコンドリア機能 / 遺伝要因 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,糖尿病性の呼吸筋機能の低下はミトコンドリア機能の低下によって引き起こされるとの仮説を設定し,糖尿病における呼吸筋機能低下の発生機序の解明を目的とするものである.2型糖尿病は,環境や遺伝などの複数の因子によって引き起こされる多因子疾患であり,糖尿病の進行に伴って呼吸筋の萎縮と機能低下が生じることが報告されている.呼吸筋機能の低下は易疲労性により運動不足を誘発し更なる糖尿病の進行を促すため,その機序を明らかにし対策を講じることは重要であると考えられる. 本研究では,ヒト呼吸筋サンプルは入手が困難であることから,日本人に類似した2型糖尿病の病態を呈するモデル動物(OLETF)とその対照動物(LETO)を用いて,糖尿病に関わる因子がミトコンドリア機能に及ぼす影響を明らかにする事を試みる.当該年度は,糖尿病前段階~糖尿病初期の呼吸筋およびミトコンドリアの機能変化と,それらに影響を及ぼす因子の解明を課題①として設定し,5週齢および30週齢のOLETFおよびLETOの横隔膜および血液サンプルの採取を行った.なお,採取の1週間前には腹腔内糖負荷試験を行い,糖尿病の発症の程度を確認した.サンプル採取時には新鮮横隔膜よりミトコンドリアを抽出し,ミトコンドリア機能評価(酸素消費速度)と活性酸素産生評価を行った.また,電気刺激による横隔膜機能評価(in vitro)を行った.残りの横隔膜および抽出ミトコンドリアは-80℃で凍結保存した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
設定した課題①は,次年度半ばにかけて達成する計画であり,実験動物の長期飼育を経て当該年度にサンプル採取が完了したのは当初の計画通りである.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従って,引き続き課題①の分析を継続して行う.また,課題②糖尿病の遺伝要因が呼吸筋機能低下へ及ぼす影響の解明に着手すべく,緩徐進行性糖尿病動物の作成に着手する.
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