2022 Fiscal Year Annual Research Report
運動の学習に伴う脳内誤差信号の情報表現の変容とそれを基盤とした学習指導方法の開発
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21H03339
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柳原 大 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90252725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿澤 昌 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (40291059)
舩戸 徹郎 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (40512869)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 歩行 / 小脳 / 適応 / 誤差 / 脳梗塞 |
Outline of Annual Research Achievements |
スポーツ及び日常生活における種々の運動技能は、繰り返しの練習・学習によって脳に獲得される。運動の学習を導くためには、脳において生成される誤差信号が重要な役割を果たしており、運動の制御及び学習に重要な役割を果たしている小脳においては、延髄の下オリーブ核ニューロンの軸索である登上線維が小脳プルキンエ細胞に誤差信号を伝えていると考えられている。 本研究においては、マウスを対象に運動の適応・学習パラダイムとして、左右分離型ベルトトレッドミル(split-belt treadmill)における歩行課題を課し、左右のベルト速度を変化させたsplit-belt条件での適応と、その後で左右のベルト速度を同一に戻したtied-belt条件の際の後効果(after-effect)を運動学的に解析した。この歩行課題における小脳の役割を明らかにするために、小脳プルキンエ細胞の変性・脱落を生じている脊髄小脳失調症6型モデルマウス、プルキンエ特異的mTOR活性化マウスを調べた結果、適応や後効果に顕著な障害が認められた。 さらに、この適応に関わる小脳の領域を特定するために、ローズベンガル (rose bengal)と緑色レーザー光を用いたphotothrombosis法による小脳梗塞を小脳の特定の領域において誘発する実験系を確立した。 研究計画においては、in vivoカルシウムイメージングとして、活動依存性マンガン造影MRIを適用して、運動学習時にプルキンエ細胞集団としてカルシウム濃度の増大が生じているhotspotsを同定し、時空間的なパターンについて調べる予定であったが、マウス用MRIの故障により、他の代替方法によるカルシウムイメージングを準備している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
特注製作したマウス用左右分離型ベルトトレッドミルの動作不全により、マウスを対象にした歩行実験に遅れが生じた。また、in vivoカルシウムイメージングの1つの方法として活動依存性マンガン造影MRIによる小脳皮質のカルシウムイメージングを行う予定であったが、MRI装置が故障して稼働できなくなったために大きな遅れが生じたことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスにおける歩行中の小脳皮質のカルシウムイメージングとして、蛍光カルシウムセンサーを発現するトランスジェニックマウスを用いて、小脳皮質のニューロン活動を大規模に計測する超広視野高速イメージング技術を適用する予定で準備を進めている。
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