2023 Fiscal Year Annual Research Report
超音波画像における“骨格筋の質”:エコー減衰補正法の開発と筋スティフネスへの影響
Project/Area Number |
21H03341
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
秋間 広 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (40292841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 良介 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学・研究部, 研究員 (10804792)
片寄 正樹 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (50221180)
田中 憲子 (石黒憲子) 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 准教授 (70439280)
吉子 彰人 中京大学, 教養教育研究院, 講師 (70825124)
谷口 圭吾 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (90381277)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 超音波断層装置 / エコー強度 / 膝伸展筋力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではヒト骨格筋の質について評価し,筋の質というのはどのような特性があるのかについて調べることを目的とした.特に今年度は超音波断層装置を用いて,ヒト骨格筋の横断画像を撮影して,筋エコー強度が筋厚と筋断面積とどのような関係にあるのかについて検討することを目的とした. 成人男性40名(年齢:21.6 ± 1.2歳,身長:172.6 ± 6.2 cm,体重:64.3 ± 9.5 kg,BMI:21.5 ± 2.7 kg/m2)が実験に参加した.身長,体重,年齢等の身体特性,超音波断層装置により大腿中央部の横断画像を撮影し,大腿直筋,中間広筋,外側広筋におけるエコー強度,筋厚および筋断面積を計測した.また,膝関節角度90度における等尺性最大膝伸展筋力の測定を行った.40名の参加者を大腿直筋のエコー強度を基準にして,高エコー強度群と低エコー強度群の2群に分類し,エコー強度の違いが他のパラメータに及ぼす関係性について検討した.その結果,高エコー強度群においては,中間広筋エコー強度と中間広筋筋断面積と有意な正の相関関係が認められ (r = 0.615, P < 0.01),また中間広筋エコー強度と中間広筋筋厚と有意な正の相関関係が認められた (r = 0.699, P < 0.01).一方,低エコー強度群においては,大腿直筋エコー強度と大腿直筋筋断面積(r = 0.615, P < 0.01)との間に,また外側広筋エコー強度と外側広筋筋厚との間に有意な正の相関関係が認められた (r = 0.599, P < 0.01).さらに,大腿直筋エコー強度と大腿直筋筋厚(r = 0.615, P < 0.01)との間および外側広筋エコー強度と外側広筋筋厚との間に有意な正の相関関係が認められた (r = 0.563, P < 0.01).以上の結果からエコー強度の違いは筋によって異なることが示され,エコー強度が筋力発揮に対して何らかの影響を及ぼしているのか,あるいは神経性の因子等に影響されているのか,あるいはその両者の影響なのか明らかにできることを望む.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた研究を着実にすすめられており,また,研究成果も少しずつ蓄積されつつあるため.
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Strategy for Future Research Activity |
今回得られた研究では筋エコー強度の高い群と低い群に2群に分け,その両群において筋力発揮とどのような関係にあるのかについて検討した.今後については,研究で得られた成果を国内や海外の学会で発表していくこと,およびその成果を学術論文として発表していくことが必要であると考えている.
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