2022 Fiscal Year Annual Research Report
ウェアラブル深部体温計の実用化と暑熱負担フィールド調査
Project/Area Number |
21H03347
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health,Japan |
Principal Investigator |
時澤 健 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所, 人間工学研究グループ, 上席研究員 (00454083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 秀憲 姫路獨協大学, 医療保健学部, 教授 (00412023)
依田 珠江 獨協大学, 国際教養学部, 教授 (40348818)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 熱中症 / 深部体温 / ウェアラブルデバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
パッチ型体温計の医療機器への承認に向けて、推定アルゴリズムの改良を進めた。特に、熱流束の誤差に影響する皮膚温の変化について検証するため、電動ファン付き作業服を使用して、急激な皮膚温上昇または低下を引き起こした際の深部体温の推定値を明らかにした。 健常成人男性6名を対象に、暑熱下(室温37℃、相対湿度50%)で1時間の軽度歩行を実施した。その際に電動ファン付き作業服を着用し、前半30分はファンをオフにし、後半30分にファンをオンにする試行と、反対に前半30分にファンをオンにし、後半30分でオフにする試行を設けた。ファンのオン/オフにより体幹部の皮膚温は3℃上昇または低下した。侵襲的に測定した食道温および直腸温と、胸部に張り付けたパッチ型体温計の推定値を比較すると、皮膚温の急激な変化には誤差が大きくなるものの、およそ10分ほどで誤差は小さくなり、安定した深部体温の推定が確認された。これまでの推定アルゴリズムに未だ改良の余地はあるものの、今回のような皮膚温の変動には対処可能であると判断される。パッチ型体温計の仕様として、当初から想定していた胸部への貼り付けから30分の安定期間を要すること、そして急激な環境温度・皮膚温度の変化等が見られた場合には、10分の猶予期間をおくことが必要となることが加わる。製品化後の実際の測定には、スマートフォン等の端末におけるアプリケーションで数値の表示・記録が行われるため、それらの注意事項をアプリに搭載する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
推定値の信頼性・妥当性の論文公表を終えたため。
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Strategy for Future Research Activity |
パッチ型体温計の製品化に向けたデータ収集と、フィールド実験の予備調査を行う。
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