2021 Fiscal Year Annual Research Report
Inhibition of cancer cell growth by food factors via pH regulation of nanoscale environments
Project/Area Number |
21H03368
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
丸中 良典 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 教授 (00127036)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 癌 / pH / イオン輸送体 / ラマン分光 / 食品 / 間質液 |
Outline of Annual Research Achievements |
癌細胞での大量の酸 (H+) 産生により、癌細胞周辺の超微小ナノスケール空間(細胞膜外100 nm 以内の範囲)に存在する細胞外液のpHがどの程度低下させているかを定量的に測定した。このことにより、癌細胞周辺のナノスケール微小空間の酸性度を定量的に明らかにでき、癌細胞周辺の酸性化により正常細胞へ与えるダメージを検証することが可能となった。これらの検証は、すでに研究代表者が国際科学雑誌にて発表したがん細胞において実施した。具体的には、ヒト食道扁平上皮癌細胞 (Ann Surg Oncol. 27:3218, 2020; Sci Rep 9:16055, 2019; Am J Pathol 189:1973, 2019; Oncotarget 9:29957, 2018; Oncotarget 9:25993, 2018; Oncotarget 9: 23237, 2018; Oncotarget 8:17921, 2017; Oncotarget 8:2209, 2017)、食道癌幹細胞 (J Gastroenterol 53:197, 2018)、ヒト胃癌細胞 (Int J Oncol 55:905, 2019; Gastric Cancer 22:473, 2019; Oncotarget 8:101394, 2017; Cell Physiol Biochem 42:68, 2017)、ヒト肝臓細胞癌細胞 (Int J Oncol 50:1857, 2017; J Cancer 7:1524, 2016)、ヒト直腸癌細胞 (J Gastroenterol 50:287, 2015)、ヒト膵癌細胞 (Pancreatol 12:440, 2012)、ヒト乳癌細胞 (Arch Biochem Biophys 539:92, 2013)を用いる。癌細胞周辺の超微小ナノスケール空間(細胞膜外100 nm 以内の範囲)に存在する細胞外液のpHは研究代表者がすでに報告している方法(図3: Nature Commun 9:5278, 2018)を用いて金沢大学・ナノ生命科学研究所・プップリン レオナルド特任助教と共同で行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
癌細胞表面のpH測定は概ね順調に推移している。さらには、2022年度における研究目標である間質液アルカリ化食品の検索の目処も立っているとともに、腸管に発現している各種カルボン酸輸送体の抗体の作成にも成功したので、本研究は順調に進捗するものと考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
癌細胞に発現している各種イオン輸送体の阻害剤を用いて、癌細胞の増殖が抑制されるか否かを検証する。さらに、食品摂取により、モデル動物のおける間質液pHがどのように変化するかを測定することを目指す。間質液pHを上昇させる食品の検索を行う。このことにより、癌細胞増殖と間質液pHの関係を検証することにより、間質液pHの重要性を検証する。
|
Research Products
(12 results)