2023 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病保護因子APOE2多型の作用機序の解明と治療薬開発への応用
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21H03391
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
篠原 充 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 認知症先進医療開発センター, 副部長 (60800521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 亜希子 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 ジェロサイエンス研究センター, 副部長 (80800979)
笹栗 弘貴 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, ユニットリーダー (10783053)
齊藤 祐子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (60344066)
大塚 礼 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 老年学・社会科学研究センター, 部長 (00532243)
西田 裕紀子 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 老年学・社会科学研究センター, 副部長 (60393170)
菊地 正隆 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任准教授 (90722538)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 |
Outline of Annual Research Achievements |
各APOEノックインマウスの加齢化を進め、生存率を評価したところ、APOE間で生存率に違いは見られなかった。またNILS-LSAデータについても、最近の死亡データを加え、データを解析したが、単純な生存率については、APOE間で違いは見られなかった。それらの原因は不明であるが、今回使用した動物モデルや臨床データ解析の問題点、不足点などもあることから、単純にAPOEが寿命に影響しない可能性を排除するべきではないと考える。 CRISPR-CAS9で作製した新規遺伝子組み換えマウスについては、ADマウスモデルとの交配を行いデータが出つつあるが、海外のグループに論文を最近発表され先を越されている (Nelson et al., Nature Neuroscience 2023, Chen et al., Cell 2024)。またこれまで開発してきたAPOEと受容体結合阻害剤についても、動物モデルに対する治療効果を十分に認めることができていない。その一方で、予想していなかった興味深いデータも得られており、それを基点にAPOEの作用を詰めていきたいと考えている。研究のより詳細な内容や結果については論文発表まで公表を控えたい。 本研究から派生して、APOE多型と肥満の関係性について臨床データを基に検討を行い、その結果を英国のJournal of Neurology, Neurosurgery & Psychiatry誌に発表し、Editorial choiceに選ばれるとともにEditorial commentaryに取り上げられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既存動物モデルの加齢化と解析や、新規マウスモデルの作製とADマウスモデルとの交配、探索した薬剤の薬効解析、などほぼ予定通りに実施できていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスモデルの解析を予定通りに進めるとともに、本研究によりあらたに得られたデータを基点にAPOEの作用機序を明らかにすることを今年度の予定とする。
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