2023 Fiscal Year Annual Research Report
Sensing platform for information leading to causal inference
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21H03427
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
新熊 亮一 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (70362580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪本 卓也 京都大学, 工学研究科, 教授 (30432412)
塩見 準 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 准教授 (40809795)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 因果関係 / センシング |
Outline of Annual Research Achievements |
屋外事故を予測するため、因果推論モデルに基づいて能動的にセンシングを制御する手法の研究を行なった。特に、複数の3次元センサー(LiDAR)を設置し、ネットワークでデータを統合することで、センシングの密度を高めるシステムを確立した。本システムでは、すべてのデータを平等に収集していては、通信帯域や計算処理性能の制限で、検知までの遅延が大きくなってしまう。そこで、事故の原因となる動的特徴をより多く含む空間のデータほど重要度が高いと判定し、優先制御を行う。車両の検知やオブジェクトの分類に成功した。 屋内事故を予測する因果関係情報センシング: 屋内事故を予測するため、因果推論の精度が最大化されるように因果関係情報を取得できるよう、因果推論モデルに基づいて能動的にセンシングを制御する手法を開発した。対象者の呼吸や心拍といった複合要因を考慮した屋内のセンシング手法を開発し、実環境における性能評価を行った。まず、ミリ波レーダによる非接触計測において、呼吸に伴う体表面の運動を数学的にモデル化し、対象者の体の向きを推定する手法を開発した。また、ミリ波レーダの信号に影響する体の運動を検出し、生体信号と体動を分離識別する手法を開発した。また、レーダ信号から推定される体表面の変位波形から心拍成分を選択的に抽出する手法を開発した。これらの手法の性能を実データを用いて定量的に評価した。 センシング領域を通過する移動体を自動的に検出し、その形状情報を圧縮し、クラスタリングを行うエッジデバイス向け移動体接近検知システムを開発した。エッジデバイス側での検出・圧縮・クラスタリングにより、エッジサーバー側で行う移動体の接近検知を低遅延に行える。ローエンドプロセッサによる実データセットを用いた実験で、従来手法と同じ圧縮効率を持ちながら、商用LiDARのフレームレートより低遅延に接近検知を行えることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画通り、屋外事故を予測するため、因果推論(ここでは事故予測)の精度が最大化されるように因果関係情報を取得できるよう、因果推論モデルに基づいて能動的にセンシングを制御する手法を研究した。特に、車両の高速移動に対応できる手法を確立した。因果推論のモデルに基づいて因果関係情報を含むデータを能動的にセンシングできるシステムの実用性を高めるための改良を行なった。 研究計画どおり、対象者の体の向き、動きなどにより生じるミリ波レーダ信号の特徴を用い、能動的にセンシング手法に用いる数理モデルを変化させる手法を開発したため、順調に研究が進んでいる。 研究計画通り、実データセットに対してローエンドプロセッサを用いても因果関係を低遅延に処理する軽量アーキテクチャを開発できた。また、本研究成果の一部(移動体部分の点群検出と圧縮の低遅延化手法)を2024年1月に開催された国際会議IEEE CCNCで発表し、Best Student Paper Awardを受賞した。このことから研究の質の高さを客観的に判断できた。以上の理由から研究開発は順調であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
因果推論のモデルに基づいて因果関係情報を含むデータを能動的にセンシングできるシステムの実用性を高める改良を行なったシステムの評価を行う。 今後は、屋外における因果関係情報センシング技術との融合により、場所を問わずに用いることのできるセンシング手法の開発を進め、その有効性を実環境で評価する予定である。 因果関係センシング技術を普及させるためには、低遅延システムのスケーラビリティの確保が必須である。対象とするLiDARスペックや台数によって、エッジサーバーの処理量が大幅に変化するためである。スケーラブルで低遅延な移動体接近検知システムを実現するために、エッジデバイスにできる限り接近検知処理の部分処理を行わせ、エッジサーバー側の負担軽減を狙う。同時に、実データセットに対して低遅延接近検知システムを稼働させ、その有用性を確認する。研究成果をまとめる。
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Research Products
(29 results)