2021 Fiscal Year Annual Research Report
Design of a Disaster Information Sharing System Using Information-Centric Wireless Networks
Project/Area Number |
21H03436
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
三角 真 福岡大学, 工学部, 助教 (50647419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 遼 福岡大学, 工学部, 講師 (00881989)
上山 憲昭 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (90710294)
森 慎太郎 福岡大学, 工学部, 助教 (90734913)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 情報指向ネットワーク / 遅延耐性ネットワーク / 耐災害ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに設計したキーワード型情報指向ネットワーク (ICDTN)の特性をより正確に理解するために、コンテンツ間の類似性に着目したコンテンツキャッシングの解析、および、ランダムウォークを利用した類似コンテンツ発見の基礎検討を実施した。さらに、ユーザーの社会的なつながりを考慮した時のコンテンツキャッシングの特性を実験および数理的解析により明らかにした。 また、スマホからアップされた写真を活用するMobile Crowd Photographing (MCP)を活用し、災害発生時に建造物などの障害状況を避難者で共有することが考えられる。MCPでは画像の冗長性が高い一方、ユーザの要求画像に厳密に一致する画像を配信する必要性は低い。そこでキャッシュ内に存在する他の画像との類似度が最大の画像から優先的に削除するキャッシュ置換法を検討した。また大型UAVと小型UAVの複数種のUAVと携帯端末を組み合わせた避難誘導システムを検討した. 加えて、通信インフラが途絶した被災地内で遅延耐性ネットワーク (DTN)にて被災者端末間で災害情報を共有するときの消費電力の削減を目的として、被災者端末から送信された情報を集約し、集約した情報を被災者端末に送信する情報ボックスを提案した。情報ボックスは、災害発生前にあらかじめ対象地域内に配置することを想定し、効果的な情報ボックスの配置をシミュレーションで評価した。 そして、ICDTNを支えるIC-Ad Hocネットワークにおいて、ネットワーク符号化を用いた、地上移動ノード相互の協力通信に基づく新たな無線通信プロトコルを開発した。ここでは、ネットワークレイヤのプロトコルに焦点を当てず、そこで課題となるリレー局・協力局における符号化データの転送に関して、建設的干渉現象に基づく新た下位レイヤの無線通信プロトコルを提案し、計算機シミュレーションに基づく評価を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、キーワード型ICDTNを高度化する上で、有用となる様々な知見を得ることができた。具体的には、s-コンテンツ配送遅延と呼ぶ類似性キャッシングのためのユーザー指向な指標を定義し、キャッシュの多段化がs-コンテンツ配送遅延に与える影響を明らかにした。また、グラフ上のランダムウォークによって、類似コンテンツをどの程度迅速に発見できるかを明らかにした。 そして、キャッシュ内における画像の類似度に基づいて画像データをグループ分けすることで、類似度計算に要する時間を低減し、また人気度も考慮することでキャッシュヒット率を向上させるMCPのキャッシュ制御法を検討した。さらに大型UAVが小型UAVを運搬しながら避難者を探索し、避難者を発見すると小型UAVを大型UAVから分離し、小型UAVが避難者を避難所へ誘導するシステムを検討した。そして計算機シミュレーションにより、これら方式の有効性を確認した。 また、災害時に被災者の携帯端末で災害情報を共有するとき、被災者携帯端末の電力消費削減を目的とした情報ボックス配置法を提案した。被災者携帯端末をエージェントとしたマルチエージェントシミュレーションによる評価の結果、情報ボックスの配置数、被災者の経由数の多い地点への情報ボックスの配置が、被災者端末の消費電力削減に大きな影響を与えることを示した。 さらに、ICDTN/IC-Ad Hocにネットワーク符号化を導入する際に、リレー局・協力局において生じる干渉問題に対し、下位レイヤの無線通信プロトコルとして建設的干渉現象およびオーバヒアリング現象を駆使する手法を開発した。それによりデータ伝送の効率化が図れるので、不必要な無線通信に削減による消費電力の低減に貢献でき、システム全体のグリーン化につなげることができる点を明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでに構築した解析やネットワークモデルを拡張し、キーワード型ICDTNの制御(例: ACK 拡散によるキャッシュからの削除)に組み込む予定である。そのためには、ランダムウォークに従う移動エージェントによる類似コンテンツの発見をより正確に理解するとともに、移動エージェントの遷移確率を最適化することで、類似コンテンツの発見を迅速にする方式を検討する。また、ネットワークのダイナミクスを考慮し、テンポラルネットワークにおけるコンテンツ発見も検討する。 さらに、MCPの類似度に基づくキャッシュ制御法に関しては、k-NN法を用いてキャッシュ画像をグループ分けした場合の、配信画像の要求画像との類似度を比較評価する。さらに画像の集合が動的に変化する場合にも対応可能なよう制御アルゴリズムを拡張する。また複数種UAVを用いた避難誘導方式に関しては、小型Unmanned Aerial Vehicle (UAV)の充電を行うベースステーションを、最大空円問題を用いて、限られた個数で避難の誘導に要する時間を低減するよう適切に配置する方式を検討する。 そして、被災者の携帯端末、並びに、これまでに提案した災害情報の集約・送信する情報ボックス端末で構成される遅延耐性ネットワーク (DTN)を用いて、災害情報(被災者端末が収集した道路の損壊情報や避難所の情報)を共有を想定し、端末の特性を考慮した分散台帳技術を検討する。 また、被災地域において地上に敷設された無線通信システムが利用できない場合を想定し、上空移動ノードとしてUAVを用いたデータ収集方式を開発する。被災状況を把握するための動画・画像等の大容量データを対象とし、地対空無線ネットワークの構築し評価する。また、大容量データの取得を通じて、データ圧縮方式および無線データ伝送に関して検討する。
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Research Products
(20 results)