2023 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッドな粉体シミュレーション手法の一般化と高速化
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21H03448
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
楽 詠コウ 青山学院大学, 理工学部, 教授 (30612923)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 粉体現象 / 個別要素 / 連続体要素 / 連成シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,個別要素による粉体のシミュレーション技法と連続体要素による粉体のシミュレーション技法を組み合わせたハイブリッドなシミュレーション方式に関するものであり,形状に異方性があったり,凸だけでなく凹な部分を含む形状などの,一般形状に対応できるようにすることを主目的とする. 本年度は,四つの項目について研究を実施した.一つ目は均質化データの圧縮である.各タイムステップにおける各場所の均質化データを全て保存すると,単一の柱崩壊に対するシミュレーションだけでも膨大な量のデータが得られるため,時間方向や空間方向のクラスタリング等によって,保存するデータの圧縮・削減を図った.二つ目は均質化処理の高速化である.均質化データの収集では,個別要素法によるシミュレーションと連続体モデリングによるシミュレーションを走らせながら均質化処理を行っており,個別要素法から得られる膨大な接触力データに対応するためにシミュレーションを短時間走らせてデータを収集し,均質化後に接触力のデータを破棄することを繰り返しながらシミュレーションを進めている.均質化処理の部分が処理全体のボトルネックとなっていたが,その部分の高速化を図ったことで,データをより効率的に取れるようになった.三つ目は個別シミュレーション手法の高速化であり,これは均質化の次にボトルネックとなっている部分である.並列処理の工夫により,均質化データ収集のサイクルを短縮し,データ取得性能が向上した.四つ目は学習方法の改良であり,ニューラルネットワークの活用を試みた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計算の枠組みを改良することによってより効率的にデータを取れるようになっており,様々なシナリオについてのデータを得ることができるようになったため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の方策として次の三点を検討している.一つ目は,衝突計算アルゴリズムを改良することによって,シミュレーション性能をさらに高めることである.均質化データ収集のサイクルをさらに短縮し,データ収集効率を改善したい.二つ目は,データのバリエーションを増やすことである.要素の形状と要素群のアスペクト比のバリエーションを増やすとともに,基本形状だけでなく複雑な形状についてもカバーできるようにしていきたい.また,均質化において複雑な形状を数値化してモデル化するための内部表現についても検討していきたい.三つ目は学習方法のさらなる改良である.特徴量や出力モデルの複雑さを変えた様々なモデルを検討し,得られているデータに対する適切な粒度のモデルを検討する.具体的には,入力形状を特徴量として表現するための方法や,付加する情報量や種類として適切な量を検討していきたい.また,そのモデルを再現するための適切なネットワーク構造についても検討していきたい.特に,モデル化をブラックボックス的にネットワークに依存するのではなく,物理制約を適切にモデル化するための枠組みについても検討を進める.
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