2021 Fiscal Year Annual Research Report
Multi-phase Flow Analysis Using Particle Method
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21H03453
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
越塚 誠一 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (80186668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 拓也 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (40782941)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 計算力学 / 流体力学 / 混相流 / 粒子法 / 界面 |
Outline of Annual Research Achievements |
MPS(Moving Particle Semi-implicit)法を用いて界面の大変形を伴う混相流解析の研究を行った。 (1) 二流体界面の混合の解析と評価:レイリー・テイラー不安定の解析を2次元で行い、界面面積の増加を評価した。さらに、流体の密度が逆転して最終的に落ち着くまで計算を進めることができた。 (2) Particle Shiftingを用いた界面形状の平滑化:界面形状の平滑化に対して、新たに粒子交換法を着想した。粒子交換法では、2種類の流体の界面近傍で、界面形状を乱している粒子同士を交換することで界面形状を滑らかにする方法である。Particle Shiftingと異なり粒子位置に変化が無いため、数値的な不安定性が発生することがない。粒子交換法をレイリー・テイラー不安定性の計算に適用して、界面形状を滑らかにすることができた。また、全体的な計算結果への影響が小さいことも確認した。 (3) DEM-MPS法による気液混相流解析手法の開発:当初は分散相をDEM、連続相をMPS法で解析する予定であったが、新たに連続相に粒子を配置しない方法を着想した。この場合、広い空間の全体を計算する必要が無くなり、極めて高速な混相流の計算が可能になると期待できる。連続相と分散相の相対速度に対する抗力をモデル化して分散相にかけることで、混相流として扱うことができる。単一液滴を含む流れにおいて液滴のみに流体粒子を配置して計算を行い、妥当な結果を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初に計画した3項目の研究課題に対して、第1の「二流体界面の混合の解析と評価」については予定通りの研究を実施し、成果を得ることができた。これに対して第2の「Particle Shiftingを用いた界面形状の平滑化」では、新たに粒子交換法を着想して、界面形状を安定に平滑化することに成功した。さらに、第3の「DEM-MPS法による気液混相流解析手法の開発」については、分散相と連続相のうち、連続相には粒子を配置しない方法を着想し、単一液滴を含む流れの計算において高速に妥当な結果を得ることができた。従って、当初の研究項目のすべてについて、目標としている機能を持った手法を発展させることに成功しており、「(2) おおむね順調に進展している」と評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で新たに着想した、粒子交換法および連続相に粒子を配置しない方法を含めて、さらに発展させ、粒子法を用いた様々な混相流解析ができるようにする。 (1) 二流体界面の混合の解析と評価:レイリー・テイラー不安定性について、3次元で解析を行い、界面面積を評価する。 (2) Particle Shiftingを用いた界面形状の平滑化:新たに着想した粒子交換法に関して、動的な可変解像度手法と組み合わせて、粒子の分裂と合体が容易に行えるような方法に発展させる。 (3) DEM-MPS法による気液混相流解析手法の開発:新たに着想した連続相に粒子を配置しない方法に関して、噴流に対して適用し、手法の有効性を確認する。また、連続相と分散相の界面にかかる力のモデルについても改良を試みる。
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