2021 Fiscal Year Annual Research Report
Statistical Machine Learning in Population Genetics and Its Application to Infectious Disease Epidemiology
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21H03490
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伊藤 公人 北海道大学, 人獣共通感染症国際共同研究所, 教授 (60396314)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | SARS-CoV-2 / 相対実効再生産数 / デルタ株 / オミクロン株 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,遺伝子の多様性を表す集団遺伝学モデルに感染者数を表す疫学モデルを組み込み,ウイルスの多様性から感染者数や変異ウイルスの割合の時間変動を推定する手法を開発し,実際に観測される遺伝子データと疫学データを統計的機械学習により解析し,データ同化の手法を用いて感染者数や変異株の割合がどのように変化するかをリアルタイムに予測するとともに,予測の精度を検証することを目的としている。 2021年度は,下記の項目の研究を実施した。 変異株の従来株に対する相対実効再生産数を計算し,従来株から変異株への置き換わりを予測する手法を開発した。開発手法を国内外のデータに適用し,アルファ株,デルタ株,オミクロン株の従来株に対する相対実効再生産数を計算した。デルタ株については,従来株に比べて実効再生産数が1.95倍高いことを明らかにし(Eurosurveillance, 2021),オミクロン株については,デルタ株より実効再生産数が3.2倍高いことを明らかにした (J Med Virol, 2021)。これらの結果に基づき,国内における変異株の割合の推移をリアルタイムに予測し,厚生労働省アドバイザリーボードに計20回報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SARS-CoV-2の変異株の割合がどのように変化するかをリアルタイムに予測ための手法を確立し,実際のデータを用いて検証している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の手法では,変異株の世代時間の分布は従来株のそれと同じであると仮定して解析している。今後,変異株の割合の推移データから,変異株と従来株の世代時間の比を求める手法を開発する。
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