2021 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of Cooperative Action Generation Process Using Cooperative Game Hanabi
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21H03569
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大澤 博隆 筑波大学, システム情報系, 助教 (10589641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 純哉 静岡大学, 情報学部, 准教授 (40397443)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Hanabi / ゲーム / ACT-R / 社会的知能 / コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、他者との協力が相互意図推定から共有シグナルとなるまでのプロセスを解明する。ヴィゴツキアン知性仮説によれば、環境中の協力的な他者を想定できることが人間の知能の一つの特徴であったと考えられる。他者との協力は、他者の意図を双方が推定し、最終的にお互いのモデルを構築した上で、共有したシグナルを交換し合うことで達成される。こうした協力のプロセスの解明として、人工知能技術を使った手法が盛んに行われているが、こうした手法ではエージェントの内部モデルを精密に制御できないため、評価が難しい。本研究では協力行動達成までのプロセス解明の課題として、協力ゲームHanabiを使用する。Hanabiゲームを繰り返すプレイヤーは、お互いの行動をシグナルとして共有し、プレイヤー同士は相互に得点を得やすくなる。こうしたHanabiゲームの性質は、協力行動を調べる上で優れた課題とされている。協力行動の基礎的な要因の評価、対人実験による共有シグナルの発生過程分析、ACT-Rを用いた人工エージェントとの対戦比較を通じて、相互意図推定から協力シグナルに至る過程を分析する。 本年度はHanabiゲームにおけるリスク傾向や内発的動機、思考時間の影響を調べる研究の分析結果をまとめ、これをfrontiers in Robotics and AIの論文としてまとめた。さらに本年度は、実施者間でどのようなモデル化が適切かを検討し、その結果をもとにACT-Rを用いたHanabiエージェントの実装を行った。なお、Hanabiプレイヤーのオフラインの観察実験は新型コロナウイルス影響下であることを考慮し、次年度以降に実施することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度はA. 協力行動の基礎的な要因の検討として、Hanabiゲームにおけるリスク傾向や内発的動機、思考時間の影響を調べる研究の分析結果をまとめ、これをfrontiers in Robotics and AIの論文としてまとめた。また、C. 人工エージェントと人間プレイヤーとの相互協力によるプロセスの検証として、本年度は、実施者間でどのようなモデル化が適切かを検討し、その結果をもとにACT-Rを用いたHanabiエージェントの実装を行った。実装結果によりACT-Rを用いて個別のエージェントの思考過程をたどることが可能となった。本結果は次年度に発表予定である。 また、B. 対人実験による共有シグナル形成の検証については、Hanabiプレイヤーのオフラインの観察実験が新型コロナウイルス影響下で難しいことを考慮し、次年度以降に実施することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度はA. 協力行動の基礎的な要因の検討を続ける。この成果について、特にHanabiを用いた協調行動のモデル化 、共有経験の蓄積に関する検討を日本認知科学会の年次大会で発表する予定である。 また、ACT-Rを用いて個別のエージェントの思考過程をたどることが可能となった分析結果については、人工知能学会の全国大会にて発表予定である。 B. 対人実験による共有シグナル形成の検証については、2022年度の状況を見て、オフラインで行うか、オンラインで行うかを判断する。
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