2022 Fiscal Year Annual Research Report
複数人動画同時視聴時の脳波等の生体情報データベース構築による共感モデルの構築
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21H03573
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
成瀬 康 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所脳情報通信融合研究センター, 室長 (00455453)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 脳波 / 同期 / 共感 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、様々な映画を視聴している時の脳波データ、自律神経データ及び、映画に対するアンケートデータなどの統合的なデータを取得することを目指した研究である。共感には、意識レベルに上る認知的共感と身体反応が無意識的に生じる情動的共感の二つがあることが知られているが、これまでの脳波を用いた共感に関する研究は 認知的共感の側面しか捉えることが出来ていなかった。本研究では、自律神経データも取得し情動的共感について捉えるとともに、自律神経変化により引き起こされる身体的変化が内受容感覚を通して認知的共感に及ぼす影響も調べることで、共感を生み出す様々な要素を総合的に捉えることが出来ることが特徴である。 前年度においては、のべ、356名のデータの取得を行ったが、2022年度の実験においては、22名の実験参加者に5本の映画を見てもらっているときのデータとして、のべ、110名のデータの取得に成功した。これらの取得したデータの解析を進めている。また、脳波の指標として、実験参加者間の同期やHeartbeat evoked potentialに注目していたがこれらとともに、視線を移動させた後に固視したときに現れるEye fixation related potential(EFRP)も映画を見ているときに観察することが可能であることから、EFRPの解析も開始した。ただし、EFRPに関しては、固視した瞬間を同定する必要があるが、この同定は基本的に人が目で見て決める場合が多い。しかし、我々のデータは非常に膨大であることから、自動的に固視した瞬間を同定するモデルが必要であり、このモデルの開発も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルスの影響で実験のスケジュールの変更が余儀なくされたことで、実験が遅れてしまったところもあったが、繰り越しをしたところ、新型コロナウィルスの影響もほぼ無くなり、当初の目的を達することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでにとりためたデータの解析を行い、モデルの構築を行うとともに、引き続きデータの取得を行う予定である。
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