2022 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of a Basis for Assessing the Effects of Chemical Substances on Environmental Indicator Organisms Toward Society 5.0
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21H03602
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渡辺 肇 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (80212322)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ミジンコ / 機械学習 / 遺伝子編集 / 化学物質影響 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では従来の化学物質影響評価法を脱却し時代に即した評価法を確立するために、近年急速に進展している2つの技術、機械学習による画像処理と遺伝子編集技術を環境指標生物であるミジンコに利用した化学物質影響評価法の基盤構築をすすめている。 ミジンコは研究室で長年維持しているDaphnia magnaを用いている。この系統は国立環境研究所で維持されていたNIESクローン由来であり、ゲノム情報も取得済みである。飼育条件は基本的にOECDテストガイドライン202の「ミジンコ急性遊泳阻害試験」に準拠して行い、必要に応じて餌として用いているクロレラの量を変化させ、意図的に大きさの異なるミジンコを作製した。チャンバー内で遊泳するミジンコの画像をカメラでそのままライブイメージとして取得し画像解析を行うことで成長速度、生存率、産仔数、脱皮間隔行動解析の評価項目についての情報を抽出した。特に重要なアプローチとして,あらかじめサイズを測定したミジンコをチャンバー内で遊泳させ,イメージを取得した。サイズをすでに測定したミジンコを遊泳させ教師データとして用いることにより,ライブイメージング画像からのミジンコのサイズを推定した。サイズ測定にあたっては、ミジンコの形状を学習させる必要があるが、この学習方法(ミジンコの画像のポイントの指定方法)などについても検討を加え、効率的な学習が可能な手法を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験材料となるミジンコの生育不良に起因して、一時期遅れが生じていたが、その後は予定通りに進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
画像処理によるサイズ推定は計画どおり進んでいることから、重要なパラメータの1つである脱皮間隔についてのアプローチも進める。脱皮間隔については、ミジンコの遊泳のパワースペクトルが通常ピンクノイズを示すことを利用し、経時的なパワースペクトル解析を行う。脱皮時に通常の遊泳ができなくなり変化するパワースペクトルを検出するための手法の開発も進め、適宜遺伝子編集ミジンコを利用する。
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