2023 Fiscal Year Annual Research Report
Association between free-living amoebae and amoeba-resistant bacteria in tap water and elucidation of potential infection risk
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21H03626
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka Institute of Public Health |
Principal Investigator |
枝川 亜希子 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 衛生化学部, 主幹研究員 (80321941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
余野木 伸哉 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 微生物部, 主任研究員 (20553613)
宮本 比呂志 佐賀大学, 医学部, 教授 (40229894)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アメーバ / 寄生細菌 / 水道水 / アメーバ共培養法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、水道水中のアメーバ及び寄生細菌の生息状況を明らかにしてこれらの関連性を解明する。これまでに、水道水を対象に自由生活性アメーバおよびアメーバ内寄生細菌の検出を行った。今年度は、水道水濃縮試料およびアメーバ共培養法後の水道水濃縮試料について、次世代シーケンサーを用いた16srRNA遺伝子を標的としたゲノム配列の解読を行った。アメーバ共培養法には、純培養のAcanthamoeba castellaniiおよびA. polyphagaを用いた。これらのゲノム配列を比較することにより、アメーバ共存下での菌叢変化を確認した。 水道水を対象に菌叢解析を行った結果、採取場所(浄水場)によって細菌叢に違いが見られた。全体的に菌の多様性は少なく、属レベルではPhreatobacter、Sphingomonasなどが主要であった。アメーバ共培養法後の試料については、Bosea、Methylobacteriumなどが検出されたが、これらは水道水からは検出されておらず、アメーバ共存下で増殖したと考えられた。アメーバ共培養法で用いたアメーバ種別にアメーバ共培養法後の水道水濃縮試料の細菌叢の違いを見ると、同一の属が検出された試料がある一方で、いずれかのアメーバ共培養法後の試料からのみ検出される属もあり、使用したアメーバ種によって細菌叢の違いが見られた。これらについては、引き続き解析を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りのサンプリングおよび微生物検出を進めており、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに水道水試料、アメーバ共培養法後の水道水試料について、次世代シーケンサーを用いたメタゲノム解析を行った。今後は、すでに得られているデータを用いて解析を行い、菌叢を詳細に明らかにすると共に、細菌叢とアメーバの関連性など検討し、アメーバや寄生の潜在的感染リスクの解明を目指す。
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