2021 Fiscal Year Annual Research Report
伝統的な民家・集落に学ぶ暑熱環境適応策としての屋外・半屋外空間デザイン手法の構築
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21H03756
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
橋本 剛 筑波大学, 芸術系, 教授 (70400661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 慎一 大同大学, 工学部, 教授 (00340175)
石井 仁 名城大学, 理工学部, 教授 (70321479)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 環境デザイン / 伝統的な民家・集落 / 屋外・半屋外空間 / 熱環境 / 紫外線環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、気候風土をはじめとした地域的特性を考慮した上で5地域を研究対象地域として選定している。2021年度は、当初の年次計画に従い、茨城県南地域および鹿児島県奄美地域において第1次本調査を、四国南東地域において概観調査を実施した。 茨城県南地域では、石岡市八郷地区において茅葺民家(金属張り茅葺屋根の民家を含む)をはじめとした伝統的な民家等に関する現地調査を行った。また土浦市において町家をはじめとした伝統的な民家等に関する現地調査を行った。新型コロナウイルスの感染拡大状況を鑑み、当初今年度に実施を予定していた住民へのヒアリング調査は自粛した。 鹿児島県奄美地域では、高倉や伝統的な民家を対象として、熱環境および紫外線環境の実測調査を行った。また、高倉の改築に関する現地調査を行った。その結果、高倉を茅葺屋根からトタン葺屋根へと改築する際に、床下空間に形成される半屋外空間がより大きくなるように改築された可能性のある事例が存在する可能性を把握した。その他、喜界島においてサンゴの石垣の現存状況等に関する現地調査を行った。 四国南東地域では、概観調査を行い、調査対象の選定を行った。徳島県および高知県の各地において「ミセ造り」の現存状況を把握するための現地調査を行った。予備調査として、徳島県海陽町鞆浦において熱環境および紫外線環境の実測調査を行った。徳島県海陽町宍喰に現存する「ミセ造り」を有する民家を対象として、平面・断面・立面の実測調査を行った。また、教育委員会や住民との調査協力関係の構築を行った。新型コロナウイルスの感染拡大状況を鑑み、当初今年度に実施を予定していた徳島県牟岐町手羽島における調査の一部を自粛した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の年次計画通り、調査対象とする5地区の内、茨城県南地域および鹿児島県奄美地域において第1次本調査を、四国南東地域において概観調査を実施することができた。 鹿児島県奄美地域における研究成果の一部については、第60回日本生気象学会大会(オンライン)において発表した。 新型コロナウイルスの感染拡大状況を鑑み、茨城県南地域および四国南東地域において当初は今年度に実施する予定だった調査内容の一部を自粛した。一方で、四国南東地域において当初は次年度以降に実施する予定だった調査内容の一部を先行的に実施することで、計画全体としての進捗状況を調整することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度においては、当初の年次計画に従い、各地域における第2次本調査、第1次本調査および概観調査を実施する予定である。具体的には、茨城県南地域および鹿児島県奄美地域において第2次本調査を実施する予定である。四国南東地域において第1次本調査を実施する予定である。長崎県対馬地域において概観調査を実施する予定である。 また、これまでの調査により得られた研究成果について順次取りまとめ、査読付き論文として投稿するとともに、学会等で発表する予定である。 なお、自然災害や天候不順等の不測の事態が発生した場合や、新型コロナウイルスの感染状況が悪化した場合には、柔軟に計画を修正・変更するとともに、必要に応じて調査対象地域を適宜追加する。
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Research Products
(2 results)