2022 Fiscal Year Annual Research Report
人工知能(AI)によるデザイン創作と法的保護-デザイン概念の変化も含めて-
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21H03763
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
麻生 典 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (20708416)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 俊文 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (00437766)
杉本 美貴 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (00635047)
渕川 和彦 大阪公立大学, 大学院法学研究科, 准教授 (00711227)
藤 紀里子 九州大学, 芸術工学研究院, 助教 (30315155)
馬場 哲晃 東京都立大学, システムデザイン研究科, 教授 (30514096)
Rademacher C 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (30609772)
知足 美加子 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (40284583)
末宗 達行 金城学院大学, 生活環境学部, 講師 (80822254)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | デザイン概念 / 知的財産 / AI / 人工知能 / 法的保護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も研究計画書に基づいて、デザイン学チームと法学チームでそれぞれ研究を進めた。 デザイン学チームのデザイン概念変化検討チームは、各デザイン分野におけるAI創作デザインの可能性を調査した。また、実際に人の創作による作品2点にAIを部分的に活用しながら作品の制作・展示を行い、人によるデザイン創作からAIによるデザイン創作への応用の課題を明らかにした。さらに、そうした作品に対する人もしくはAIの関与の程度や割合によって、芸術およびデザイン概念が変化していくのかの検討も行った。 そして、技術的問題点検討チームにおいては、AIを用いたアプリケーションを実際に社会実装する際に生じた技術的課題と、多数の者が関与する場合の学習済みモデルの作成の際に生じる問題について検討を行った。さらに、実際のデータセットおよび学習済みモデルの公開の社会的必要性と法的許容性のバランスについて検討し、ありうべき方向性について検討を行った。 法学チームは、AI創作に必要なビッグデータの保護や知的財産侵害等に伴うプラットフォーマーの責任について、欧州と日本を比較検討し英語で論文として公表した。また、そうした状況を踏まえたAI生成物に対する知的財産法による保護について、日本法とフランス法を比較しつつ、日本における解釈論と立法論について論文を公表した。さらに、AI生成物のメタバースでの利用も想定し、現状でのメタバースと知的財産法との関係について整理した論文を公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AI創作デザインの課題等の検討を実際の創作を通じて検討でき、さらにAI創作デザインに必要なデータの保護等やプラットフォーマーの責任、それを前提としたAI生成物と知的財産法の解釈論と立法論、メタバースとの関係など、当初予定していた計画よりも周辺領域を含めた検討が行えていることから、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度も研究計画に従い、これまでの各チームの検討を前提に、AIによって自律的に創作されたデザインの望ましい保護のあり方の検討を行う。
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Research Products
(5 results)