2021 Fiscal Year Annual Research Report
Insertion type fluorescent imaging device using front light source and angle selective imaging
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21H03809
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
笹川 清隆 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (50392725)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | イメージセンサ / 蛍光観察 / 生体埋植デバイス / フロントライト / 脳機能計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では薄型のレンズレスイメージングデバイスによって、落射型の光照射を実現することを目的としている。レンズレス系では、画素アレイから観察対象までの距離が長くなると空間分解能の低下が大きくなる。そのため、非常に薄いデバイスで実現することが求められる。これに対し、本研究では、薄型の光導波路中を光伝搬させ、散乱によって光を観察対象に照射する構成を取る。蛍光輝度の低いガラス導波路内に励起光を伝搬させることによって、従来問題となっていた、観察対象以外の部分にある生体組織による蛍光成分の低減を図る。 薄型ガラスに導入した光を散乱させる構造として、永久レジストを用いたパターンをフォトリソグラフィによって形成した。このような構成でもパターンのエッジ部分は散乱が大きく顕微鏡等での観察では明確なパターンが現れる。これに対して、パターンのピッチは画素寸法の整数倍とし、正確にアライメントすることで散乱光の取得画像への影響低減が可能となる構成とした。 光ファイバからの青色レーザー光を試作デバイスに導入し、厚さ数μm程度の散乱パターンで蛍光観察に十分な励起光強度を得られることを確認した。導波路として用いるガラス厚はレンズレス構成における空間分解能と同程度である。さらに薄いガラスを用いることによって、素子の更なる薄型化による空間分解能向上や散乱効率の向上の可能性がある。また、実際に本デバイスを用いて緑色蛍光ビーズをデバイス上に散布し蛍光励起が行えることを実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、フォトリソグラフィ法によって散乱パターンを形成し、導波路内を伝搬する光を所望の領域から散乱させて照射できることが実証できている。比較的簡便に作製できることから、適用を想定している生体埋植イメージセンサのような再利用が難しいデバイスへの適性があると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在使用している永久レジストはエポキシ系であり、樹脂自体の蛍光が強い。これは微弱な蛍光試料を観察する際には問題となる可能性がある。今後、より蛍光強度の低い素材を用いて改善を図る。フォトリソグラフィ法による微細構造形成の利点を活かすため、これを型としたレプリカ法を用いることを検討している。 また、実際のデバイスと統合することによって、蛍光試料観察を進める。散乱構造の蛍光は完全になくすことは困難であり現実的ではない。一方で、そのパターンは作製時に確定するため、画像処理による除去手法を検討する。
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Research Products
(15 results)