2022 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of a large-scale analysis platform for cancer histopathology using deep texture representation
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21H03836
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河村 大輔 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (10776082)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 深層学習 / 病理組織画像 / がん |
Outline of Annual Research Achievements |
病理組織標本はがん細胞そのものやがん細胞と間質の細胞との相互作用が作り出す組織形態を通してがんに関する様々な情報を与えてくれる。近年、病理組織スライド全体を専用のスキャナで取り込んだWhole Slide Image(WSI)が得られるようになり、組織画像のデジタル化が進んでいる。しかし、大量のWSIを効率よく客観的・定量的に評価する技術が存在しないため、ゲノム情報のように数千-数万症例規模の比較解析による新たな知見の獲得が困難になっている。 申請者は、これまで深層学習技術を用いてがん種横断的に組織学的特徴を数値化する独自技術を開発してきた。本研究ではこの技術を用い、多種多様な組織像を体系的に収集・分類することであらゆる組織形態を含んだリファレンスデータを構築する。さらに、このリファレンスデータを用いてWSIに含まれる組織全体を数値化し、人手によるWSIの前処理を行うことなく大量のWSIを客観的、定量的に評価するための汎用的な解析基盤を開発する。またこの解析基盤を用いて多くのWSIを解析することで、臨床的に重要な知見の獲得を目指す。 令和4年度は引き続き複数の医療機関から希少腫瘍を含む多種多様な症例のWSI画像を収集した。また、令和3年度に構築したデータセットを訓練データとして高精度な細胞・組織セグメンテーションモデルを開発した。本モデルの精度を評価したところ、病理医の識別精度と同等か細胞種によってはそれ以上であることが示された。これにより画像として類似していても異なる細胞を区別可能とすることが可能となった。さらに、本モデルを利用し、胃がん症例に対して上皮細胞を抽出し、その深層テクスチャの類似性に基づくクラスタリングを行い、クラスタごとに上皮細胞のサブタイプの情報を付与することで、胃がんの上皮形態リファレンスを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた研究内容の項目は概ね実施したため。
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Strategy for Future Research Activity |
収集した多様な症例の組織像を元に引き続き組織形態リファレンスの構築を進め、WSIの組織全体を数値化する技術の開発と検証を行う。また、開発した技術を用いて腫瘍の組織像を解析し、ゲノム異常などを予測するなど、実現されれば臨床的に有用と考えられる様々なアプリケーションを検証する。
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Research Products
(7 results)