2022 Fiscal Year Annual Research Report
Historical and contemporary development of diseases and epidemics in East Asian Kanji cultural sphere: Origin of demon-based cause and ideological water vein
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22H00606
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
大形 徹 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 教授 (60152063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桂島 宣弘 立命館大学, 文学部, 教授 (10161093)
佐藤 信弥 大阪公立大学, 大学院現代システム科学研究科, 客員研究員 (10768162)
山田 崇仁 立命館大学, 文学部, 非常勤講師 (20425010)
落合 淳思 立命館大学, 文学部, 非常勤講師 (20449531)
名和 敏光 山梨県立大学, 国際政策学部, 准教授 (30291868)
多田 伊織 (永瀬伊織) 大阪公立大学, 大学院現代システム科学研究科, 客員研究員 (30310783)
石井 真美子 立命館大学, 文学部, 教授 (40533154)
山里 純一 名桜大学, 公私立大学の部局等, 教授 (50166659)
佐古 愛己 佛教大学, 歴史学部, 教授 (70425023)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 鬼系の病因論 / 疫病 / 疾病 / 発病占 / 辟邪 / 蟲 / 薬籤 / 剣獅 |
Outline of Annual Research Achievements |
漢字学研究会(キャンパスプラザ京都)とコラボしてハイブリッドで開催。鬼系の病因論に関して4月16日(21名)大形徹[立命館大学]「疾病・疫病観」、5月21日(23名)佐々木聡[金沢学院大学]「発病占の二千年史」、6月18日(19名)多田伊織[大阪大学非常勤講師]「黄色くなる病い―インド原典と漢譯佛典から―」、7月16日(15名)六車楓[日本学術振興会特別研究員PD]「清華簡『五紀』の身体と疾病に関する記述について」、9月17日(21名)桂島宣弘[立命館大学]「民衆宗教における「病気直し」―幕末明治期金光教における「病気」と「直し」をめぐる言説と実践―」、10月15日(12名)孫瑾[中国海洋大学]「宋の民間医療観と房中術実践」、11月19日(11名)董伊莎[広州華商学院]「儒教関係思想における「厲」について」、12月17日(25名)永原順子[大阪大学]「水難怪異伝承の比較研究―東南アジアでの調査から―」、1月23日 (20名)田天[北京大学]「秦漢出土病方的発現与発展」、2月18日(25名)白山友里恵[上智大学大学院修士課程修了]「題名:病因として機能する「蟲」と風―『諸病源候論』を手掛かりに―」を行なった。別に隔週木曜に『千金翼方』を講読している。常に10名前後の参加者がある。成果は島山奈緒子・名和敏光・村上幸造・大形徹「『千金翼方』禁経訳注稿 白川静記念東洋文字文化研究所紀要 第17号(2024年3月)」として発行した。 コロナのため海外研究者を呼べず、また海外調査もできなかった。そのため予算を繰越しし、2023年8月に大形徹・名和敏光(分担者)・池内早紀子(協力者)・佐々木聡(協力者)で台湾(台北・鹿港・安平・台南)の道観・寺廟・剣獅の辟邪物等の調査をした。道観では道士に薬籤の話を聞き、中薬店で聞き取り調査をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展している。科研の研究会は毎月、1名、1年に10名の発表あるいは講演を行なうことができた。本来、中国から来日して対面で発表していただく予定であった。しかし、新型コロナの影響で来日することには多大な困難をともなうため、ズームで対応していただいた。孫瑾[中国海洋大学]氏、董伊莎[広州華商学院]氏の二人は広島大学、関西大学の博士であり、日本語で発表していただいた。田天[北京大学]氏に関しては京都大学の成高雅[京都大学・研究協力者])氏に通訳していただいた。通訳もうまくいき、ほとんど問題なく、研究発表を行なう事ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度はコロナも終熄するはずで中国から研究協力者、上海中医薬大学の張如青氏、北京大学の陳明氏[外国語学院院長・東方文学研究中心主任]を日本に招請したい。張氏には「秦漢出土病方的発現与発展」、陳氏には「“八分醫方”中的“論鬼瘴”與漢譯佛經中的“鬼病”相關譯語」という題目で発表していただく。また広西中医薬大学の周祖亮氏を訪問教授として招待したい。研究会は年間10回を予定している。 2022年度に発表した内容を『古代文化』(第75巻 第2号 (通巻第633号)2023.10刊行予定)に特輯「東アジア漢字文化圏の疾病・疫病観の史的・現代的展開―鬼系病因論の起源と思想的水脈―」に寄せて」として掲載していただけることになっている。 さらに2023年8月末に台湾の調査を行う。鹿港・台南・台北等の寺廟・薬舗の調査を予定している。台湾の方が大陸より古い文化が残っており、本研究の「鬼系の病因論」の立場からの考察が可能だと思われる。 同行者は名和敏光(分担者 山梨県立大学)・池内早紀子(研究協力者 大阪府立大学)・佐々木聡(研究協力者 金沢学院大学)を予定。8月29日~9月2日(鹿港・台南・安平・台北で、道教や佛教関係の道観・寺廟等、中央研究院民族学研究所 台南孔子廟 鄭成功祖廟 天壇天公廟 王爺廟 安平市街 安平古堡 故宮博物館 龍山寺 青草巷 天順蔘薬青草行)を尋ねる。いずれも疾病治療に関連している。台南の王爺廟は台湾最大で疾病をおこす悪鬼を載せた王爺船を海岸で焼き払う儀式である。中薬を売る街を尋ねる。薬は疾病の治療と関連している。安平の剣獅は門や壁に飾る剣を銜えた獅子である。家屋に侵入しようとする悪鬼を退散させる辟邪の効果をもっている。李建民・賴思舒(ともに中央研究院)・余風(逢甲大学)・陳逸文(東呉大学)・林慧怡(元故宮学芸員)等の研究者に会い、学術交流を行なう予定である。
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Research Products
(16 results)