2022 Fiscal Year Annual Research Report
Universality and locality in Micronesian Englishes: Comparative analyses across British and American (ex-)colonies
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22H00655
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 和子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (80350239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 謙次郎 神戸松蔭女子学院大学, 文学部, 教授 (40263636)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | Palau / Palauan English / intersubjective / periphery / パラオ / パラオ英語 / 間主観化 / 周辺部 |
Outline of Annual Research Achievements |
5ヵ年計画の初年度の研究として、本年度の前半はこれまでの調査で各年代の話者から収集していた既存のパラオ英語の談話データ用いて、発話の周辺部(発話のはじめと終わり)に見られる間主観化に関する分析を進め、途中段階であるものの、この研究成果を「Speaking “Palish”? Nativisation of a newly emerging postcolonial English variety in the Pacific.」として第12回オセアニア言語学国際会議(12th International Conference on Oceanic Linguistics 12 ; COOL 12)において報告するとともに、「Dream goal. If I have the brain ollei, I want to be a lawyer: Nativisation of Palauan English amongst adolescents.」としてカンタベリー大学(ニュージーランド)にて招聘講義を行った。オセアニア地域の専門家であるミリアム・メイヤホフ教授やジェニファー・ヘイ教授より得たフィードバックを参考にしつつ、さらに研究を深めている。 一方、本年度の後半はベルン大学の共同研究者と共に、パラオ、サイパン、グアム、コスラエ、ナウル、キリバスの英語変種の特徴を統一した視座から再分析し、今後のミクロネシア英語変種間の比較研究に向けての土台を整備した。順次、各地点の英語変種における形態統語レベルの特徴に関する分析を進めるために連携をさらに強めていく予定である。さらに当該分野では必携の専門書の改訂版『New Cambridge History of the English Language』にこうした成果を掲載できるよう、現在、執筆を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの感染拡大により、医療体制が整っているとは言い難いミクロネシア島嶼国への渡航は叶わなかった。このため申請当初に予定していたダイナミックモデルを検証する上で重要な役割を果たすとされる要因に関する現地調査および考察に変更を強いられたことは否めない。 その反面、既存の言語データを用いた分析を進め、その研究成果を国際学会で公表、招聘講義で講演するなど、研究の精度を高めることができた。またベルン大学の共同研究者らと共に、サイパン、グアム、コスラエ、ナウル、キリバスの英語変種の特徴を統一した視座から再分析し、今後のミクロネシア英語変種間の比較研究に向けての土台を整備した。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの感染が終息に向かっているもののまだ終焉には至っていないことから、医療体制が比較的整っている島(グアム、サイパン、パラオ)から現地調査を開始していく予定である。これにより当該地域に関しては、ダイナミックモデルで重要な役割を果たすとされる3つのエイジェント、4つのパラメーター、5段階から成る英語の進化を詳細に調べ考察することが可能となる。 また言語データ分析に関してはコロナ前に各地点で収集していた談話データを比較可能なコーパスへと整備し、順次、形態統語に関する分析を進めるために研究分担者との連携をさらに強めていく予定である。
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