2022 Fiscal Year Annual Research Report
中世日本往復外交文書の古文書学的研究ー明清・朝鮮公文書研究の一環としてー
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22H00699
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
荒木 和憲 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (50516276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一瀬 智 福岡県立アジア文化交流センター, その他部局等, 主任研究員 (20543698)
川西 裕也 新潟大学, 人文社会科学系, 助教 (30736773)
大野 晃嗣 東北大学, 文学研究科, 教授 (50396412)
須田 牧子 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (60431798)
渡辺 美季 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (60548642)
小島 浩之 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 講師 (70334224)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 東アジア / 明清 / 朝鮮 / 公文書 / 外交文書 |
Outline of Annual Research Achievements |
中世日本の往復外交文書を古文書学的に理解するためには、明清代中国と朝鮮の公文書体系に対する理解が必要不可欠である。古文書学における方法論としては、①様式論、②機能論、③形態論、④伝来論があり、本研究においても、この4つの方法にもとづき中世日本往復外交文書と明清・朝鮮公文書を分析することになるが、とりわけ③・④については、現存する原本の調査が重要となる。それゆえ、国内外の史料所蔵機関に保管される史料の原本を可能なかぎり熟覧し、データを蓄積することを目指している。 令和4年度の研究実績は以下のとおりである。 【清・朝鮮公文書の原本調査】令和4年7月21日~24日の日程で清・朝鮮公文書(詔書・告身・諭帖・伝令・関・書契)の原本調査を実施した。調査先の機関と主な調査対象史料は、以下のとおりである。長崎県対馬歴史研究センター(小野家伝来告身2通、個人蔵告身3通)、佐賀県立名護屋城博物館(朝鮮国礼曹俘虜刷還諭告文1通、朝鮮王子臨海君順和君書状1通、釜山鎮水軍僉節制使関1通ほか)、九州国立博物館(萱島木兵衛受給告身1通・伝令1通・書契1通、通信使三使別幅1通、嘉慶帝詔書写1通)。上記の史料については、研究分担者4名(渡辺・須田・一瀬・川西)との協働により、①高精細撮影、②料紙の法量・厚さ・折幅の計測、③印郭の法量計測、④料紙の繊維の顕微鏡撮影を行うとともに、原本の観察にもとづく意見交換を行った。調査で得られたデータについては、研究代表者が整理し、分担者との共有を図った。 【研究会の開催】令和5年3月29日~30日の日程で、研究チーム内部の研究会(於東京大学史料編纂所福武ホール会議室)を開催した。研究分担者全員の参加を得て、分担課題に関する構想報告、ならびに本研究課題の今後の方向性に関わる意見交換・情報共有を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は新型コロナウイルス感染拡大のため、当初計画どおりには調査・研究会を実施できなかったものの、結果的には国内3機関での原本調査、および対面形式での研究会を開催することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は国内外の史料保存機関での原本調査を実施する。各国の新型コロナウイルス感染状況や出入国管理状況を見極めつつ、調査計画を策定する。
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Research Products
(8 results)