2023 Fiscal Year Annual Research Report
宗谷海峡域における新石器/縄文時代生活史の実態解明
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22H00710
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福田 正宏 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (20431877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國木田 大 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (00549561)
出穂 雅実 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (20552061)
夏木 大吾 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 特任助教 (60756485)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 新石器/縄文時代 / 宗谷海峡 / 北海道 / サハリン / 地域連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の研究実施内容は、以下の通りである。 1)道北古環境調査:稚内市大沼周辺の低湿地においてボーリング調査を実施し、採取したボーリングコアの層相分析・炭素年代測定・花粉分析・珪藻分析を行った。予想外に良好な試料が得られ室内分析作業に時間がかかるため、次年度も継続する必要がある。 2)道北遺跡発掘調査:稚内市富磯地区(縄文時代遺跡群)と利尻富士町町鴛泊地区(利尻富士神社下遺跡ほか:後期旧石器~縄文時代)において範囲確認調査を行った。前者では包蔵地が消滅した可能性があることが判明したが、後者では良好な遺物包含層が存在することが判明したため、地元教育委員会と協議を行い、次年度以降、慎重に調査を進めることで合意を得た。 3)余市水産博物館・石狩市砂丘の風資料館・稚内市開基百年記念塔にて、紀元前1千年紀(縄文晩期~続縄文)の土器資料を調査した。付着炭化物の年代測定と同位体分析を行っている。 4)市立函館博物館において、旧樺太・北千島(新石器中期~古金属器/続縄文)出土遺物の観察・分析を行った。特にこれまで所在が知られていなかった南樺太栄浜遺跡出土遺物の観察・実測を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
北海道宗谷における完新世の長期的古環境変遷のためのボーリング調査を実施し、質の高いボーリングコアを採取することができた。年代測定の結果、縄文時代全体を見通せる年代幅で植物微化石・貝化石等が豊富に含まれる層序をが得られ、その詳細分析を現在進めている。稚内市における現地調査結果をもとに、道北(利尻島)・道央(余市・石狩)に調査対象地を拡大したことで、宗谷海峡周辺における縄文時代の開始期と終末期に関する新知見が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
日露間の国際関係の悪化に伴い、当初研究計画の大きな柱の一つとしていたサハリン南部の遺跡調査を実施することはできないが、今年度に道央方面に研究対象を拡大することで、宗谷海峡周辺における縄文時代生活史の未解明課題を解決することができる見通しが得られた。次年度以降は道東にも調査対象地域をひろげ、道北の縄文文化全体を広域的に位置づける必要がある。
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