2023 Fiscal Year Annual Research Report
製鉄遺跡の発掘調査に基づく鉄の生産と管理からみた匈奴の地域支配の実証的研究
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22H00715
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
笹田 朋孝 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (90508764)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | アジア考古学 / 科学技術史 / モンゴル / 匈奴 / 鉄 |
Outline of Annual Research Achievements |
さまざまな遊牧国家の勃興の地であるモンゴル高原への鉄の伝播ならび適応の実態はいまだに不明であり、鉄の存在が遊牧国家にも大きな影響を与えたことが想定されながらもその具体的な様相は不明であった。そこで本研究では、モンゴルの共同研究者たちと発見し発掘してきたホスティン ボラグ製鉄遺跡(匈奴、BC2c~AD1c)を研究の中心に据え、新たに発見された製鉄遺跡の発掘調 を実施することで、匈奴の製鉄システムの時期差や地域差を明らかにする。そして東アジア最初の遊牧帝国である匈奴がどのような戦略で鉄を獲得し、鉄生産を彼らの伝統的な遊牧システムの中に取り入れていったのか、そして匈奴が鉄をどのように管理していたのかを明らかにすることを目的としている。 今年度はモンゴル東北部のオノン川流域に焦点をあてて調査を実施した。9月にヘンティ県ダダル近郊のハジュー・ボラグ遺跡の発掘調査を実施した。発掘調査で検出された3基の製鉄炉は、これまでモンゴル草原で見つかっていた製鉄炉とは構造を大きく異なっており、類例はアルタイ地域で確認されている。製鉄炉の炉内から採取した木炭の年代は、紀元後3~5世紀ごろであり、出土した土器はロシア連邦側で設定されたブルフォトイ文化の土器であった。オノン川流域はテムジン(チンギス・カン)を輩出したモンゴル族(蒙古室韋)の故地であり、その地域で製鉄に関する初めての資料である。目的とした匈奴の製鉄炉では無かったが、モンゴル史を考える上で重要な発見であることから、次年度も継続してこの地域の調査を実施する予定である。 調査成果はFacebookページ” History of Ancient Mongolian Craft Production”に速やかにアップするとともに、国際シンポジウム等で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、現地調査を実施することができた。目的とした時代では無かったものの、この新発見はモンゴル考古学に大きな影響を与えた。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度と継続して、オノン川流域の製鉄遺跡の調査を継続する。研究成果を国際会議等で発表する。
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Remarks |
History of Ancient Mongolian Craft Production https://www.facebook.com/zuunbaidrag
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