2022 Fiscal Year Annual Research Report
Archaeological research of city states and local societies in the Levant during the Late Bronze Age
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22H00730
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
桑原 久男 天理大学, 文学部, 教授 (00234633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間舎 裕生 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 文化遺産国際協力センター, 客員研究員 (00733114)
津本 英利 (財)古代オリエント博物館, 研究部, 研究員 (40553045)
増渕 麻里耶 京都芸術大学, 芸術学部, 准教授 (50569209)
長谷川 修一 立教大学, 文学部, 教授 (70624609)
橋本 英将 天理大学, 文学部, 教授 (80372168)
小野塚 拓造 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 主任研究員 (90736167)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 地中海 / 南レヴァント / 後期青銅器時代 / テル・レヘシュ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、複雑な様相を見せる南レヴァント地域の後期青銅器時代について、テル・レヘシュの調査成果を軸に、ローカルな視点から地域社会の実態を明らかにし、グローバルな視点から、広域的な交流と交易の実態を明らかにすることをめざしている。 2022年度は、Covid-19の影響がなお残る状況であったので、各種のオンライン・ツールを利用し、研究メンバーが緊密に連絡を取りながら研究を進めた。 年間をとおして、テル・レヘシュの既往の調査で、後期青銅器時代の遺構・遺物が発見された調査区について、内容を再検討し図表に整理する作業を行い、その成果を報告書にまとめる作業を進めた。 また、2022年8月、なお制約が残るなか。少数のメンバーで現地渡航を行い、次年度の発掘調査に向けて事前の準備作業や過去の発掘調査で出土した資料(土器・石製品など)の調査研究を行った。とくに後期青銅器時代~初期鉄器時代の遺物と遺構の再検討を行った結果、「上の町」の調査区で出土遺物の内容から近辺に神殿が存在する可能性が浮かびあがるなどの成果が得られた。 2023年夏には再び現地に渡航し、テル・レヘシュの発掘調査を4年ぶりに再開することができた。「下の町」の調査区で、後期青銅器時代から初期鉄器時代の層位の状況を明らかにすることができ、初期鉄器時代の建築遺構から青銅器鋳造関連遺物が発見されるなど、有意義な成果を得ることができた。 エジプト、トルコなど、周辺地域における後期青銅器時代の様相については、研究分担者がそれぞれ情報を収集し、検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は、Covid-19の影響がなお残る状況であったので、各種のオンライン・ツールを利用し、研究メンバーが緊密に連絡を取りながら研究を進めることができた。また、2022年夏には少数のメンバーが現地渡航を行いテル・レヘシュの出土資料の調査研究を行うことができた。これを踏まえた報告書の作成を進めたが、内容の大幅な改訂を行う必要が生じ、作業が想定よりも遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、イスラエルに所在するテル・レヘシュ遺跡の調査研究がひとつの軸となっている。2023年8月に現地調査を実施することができたが、その後、2023年10月、イスラム組織ハマスによる襲撃事件に伴って、現地情勢が悪化した状態が続いている。2024年度については現地情勢の実施について、さまざまな可能性を検討しているところである。
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