2023 Fiscal Year Annual Research Report
High-precision Paleoenvironmental Reconstruction using Borehole Cores from Paitan Lake, Luzon, Philippines
Project/Area Number |
22H00758
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
奥野 充 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (50309887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤木 利之 岡山理科大学, 理学部, 准教授 (10377997)
中西 利典 ふじのくに地球環境史ミュージアム, 学芸課, 准教授 (10462582)
岸田 拓士 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (40527892)
佐藤 鋭一 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (40609848)
田代 崇 日本大学, 法学部, 准教授 (70755165)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 火山噴火史 / ボーリングコア / 放射性炭素年代 / 古環境復元 / 湖沼堆積物 / ルソン島 / CTスキャン |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究は,フィリピン・ルソン島中央部のパイタン湖において不撹乱ボーリングコア試料を採取して,古環境復元や爆発的火山噴火カタログを詳細に作成するものであり,初年度(2022年度)にはハンドボーリングによる予備調査などを実施したうえで,機械掘削地点の選定を進めた.続く2023年度末(2024年3月)には,パイタン湖においてボーリング調査を実施して不撹乱のコア試料を深さ40mまで採取した.これまでの研究では,深さ約28mで硬い層に当たり採取できておらず(Nakanishi et al., 2017),今回も同じ深さで硬い層に当たったが,これをケーシングを用いて貫通させることで,一部は採取できなかったものの深さ40mまで不撹乱のコア試料を採取することができた.これにより,本研究の第一段階はまずクリアしたといえる. 採取したコア試料は,現地の共同研究者であるフィリピン火山地震研究所(PHIVOLCS)において保管している.まずは詳細な堆積構造を検討するためCT撮影を行う予定であり,コア試料の半裁はしておらず,肉眼観察などの一次記載はできていない.経費および植物防疫上の許可申請などの関係で,現地の研究機関のCT撮影装置を用いるか,日本に持ち帰って実施するか未定である.また,次年度の予算(2024年4月)でさらに10m分を追加掘削して,トータル50m長のコア試料を分析することにしており,当初目的としていた5万年間の環境変遷およびテフラ編年(カタログ作成)が確立できる見通しがたった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の最重要事項のコア採取に成功した.次年度には,サブサンプリングなどの分析作業を進めて,課題としていたテフラカタログの作成や古環境復元を進める予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
CT写真撮影などの基本的な記載作業を行い,その上で古代DNA分析,花粉分析,プラントオパール分析,珪藻分析,テフラ同定,初磁化率測定などを進めて,ルソン島における古環境変遷史ならびに爆発的火山噴火史を詳細に復元する.現地での作業と日本での作業の割り振りが今後の課題である.時間的ならびに予算的な資源を有効に活用するように心がける.
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