2022 Fiscal Year Annual Research Report
人権・環境ガバナンスにおける「共感」メカニズムの解明
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22H00817
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山田 高敬 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (00247602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 智明 福岡工業大学, 社会環境学部, 教授 (00404088)
宇治 梓紗 京都大学, 法学研究科, 准教授 (00829591)
赤星 聖 神戸大学, 国際協力研究科, 准教授 (20795380)
政所 大輔 北九州市立大学, 外国語学部, 准教授 (30734264)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | グローバル・ガバナンス / 地球環境政治 / 人道支援 / 共感メカニズム / 国際機関 / 国際制度 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、本研究課題を構成する環境グループと人権グループにおいて共感と国際協調の関係を解明するためのサーベイ実験について、その方法論などについてメンバー間で知識を共有するとともに、サーベイ実験のための質問項目、並びにサーベイ実験の実施媒体とその費用などについて綿密な検討を行った。また、それと並行してそれぞれが担当する分野において共感メカニズムの作用が期待される、非対称的な相互依存関係によって特徴づけられるグローバル・ガバナンスの事例について検討を行い、研究対象とすべき具体的な事例として有害化学物質の廃棄、気候変動リスクの開示、及びウクライナ難民への支援などについて考察した。その上で各自がそれぞれのテーマに関して文献リサーチを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題には方法論上二つの特色があり、そのうちの一つがサーベイ実験である。本課題の全ての参加者がサーベイ実験のメリットや方法論について理解を深め、その知識を共有することが、2022年度の最重要目標であったため、その目標が達成できたことは、上記のような評価をするに値すると言える。もう一つの方法論上の特色は、テキストマイニングであったが、こちらに関しては、知識を共有するまでには至らなかった。全体の研究計画を検討した結果、それに先行してサーベイ実験を実施する方が効率的であると判断したからである。加えて、本格的なサーベイ実験の実施のためには、パイロット実験をする必要があることが判明し、その計画のために予定よりも多くの時間を要することとなったこともテキストマイニングに関する検討を遅延させた理由となった。また事例研究に関しても、各自が文献リサーチを実施し、事例に関する理解を深めることができたことも本研究課題の遂行に大きく貢献したと評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の課題としては、共感と環境分野における国際協力の関係、ならびに共感と人権分野における国際協力の関係について、まずは小規模のパイロット実験をインターネット上で行い、その結果を踏まえて質問項目や質問の背景となる前提条件等を改善した上で、本格的なサーベイ実験を行いたい。また同実験の結果を論文にまとめ、可能であれば学会等で報告をするとともに、国際ジャーナルに投稿したい。また事例研究に関しても、このサーベイ実験の結果を考慮に入れながら、定性的な分析を進めていきたいと考えている。特にサーベイ実験は海外の研究者からの注目度が高いため、同じような関心を持つ海外の研究者とも連携しながら、実施していきたいと考えている。
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