2022 Fiscal Year Annual Research Report
限定合理的個人を仮定した大規模社会システムの動的制度設計
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22H00826
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
澤 亮治 筑波大学, システム情報系, 教授 (70644566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 健太郎 筑波大学, システム情報系, 准教授 (20706957)
藤嶋 翔太 一橋大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (50706835)
図斎 大 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (60868850)
府内 直樹 滋賀大学, 経済学系, 教授 (70808740)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 進化ゲーム / 学習理論 / 動的交通問題 / 進化的制度設計 / 限定合理性 |
Outline of Annual Research Achievements |
基礎理論の研究については、行動経済学的な知見を取り入れた進化動学に関する研究を進めた。特にプレイヤーが社会全体の状況を観察できず、他のプレイヤーの行動をサンプルして社会全体の状況を類推するような進化ゲームの定式化および分析を行った。統計的推論分野における推論法を進化ゲームに組み込み、均衡への収束や均衡の安定性について一定の理論結果を得ることが出来た。また、プレイヤーの多様性を許容する進化動学および多様性を考慮した学習理論に関して定式化および分析を進めた。進化ゲーム研究や学習理論の研究では、意思決定ルールや学習ルールについては各プレイヤーが同じルールに従うと仮定されることが多い。これに対して、プレイヤーの利得関数の多様性、意思決定ルールの多様性、学習ルールの多様性など種々の多様性を考慮した進化動学や学習理論の研究を進めた。これらについても理論的結果の導出など一定の成果を挙げた。 進化的な制度設計の研究については、動的な交通モデルの研究を中心に分析を進めた。社会的厚生関数を最大にする動的価格設定の仕組みについて研究を進め、時間選好が多様なプレイヤーの下でのプライシングアルゴリズムの設計について定式化および分析を行った。また、時間軸を考慮した動的な交通均衡問題(出発時刻選択均衡問題)の安定性の問題に取り組んだ。この問題については、均衡の不安定性などのネガティブな結果が知られているが、均衡の安定性といったポジティブな結果の可能性について分析を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究について一定の成果をあげているが、成果があがる時期が計画よりも若干遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
多様性を考慮した進化動学および学習理論についての研究を進める。また、動的な制度設計問題についても最適なプライシングの分析を中心に研究を進める。
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