2022 Fiscal Year Annual Research Report
*Economic Analysis of Diverse Work Styles: Effects on Working Hours, Health, and Productivity
Project/Area Number |
22H00857
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
黒田 祥子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (50447588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 宏一郎 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (60446581)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ギグワーク / 労働供給 / 多様な働き方 / 銀行口座データ |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナ感染症(COVID-19)の外生的なショックを受け、大きな変化に直面している日本の労働市場は、より多様な働き方が可能な市場へと変化していくのか。働く空間、時間、タイミングなどの自由度が増すことにより、人々はどのような影響を受けるのか。本研究では、コロナ前後を対比させながら、これまで政府が推進してきた働き方改革の進展を精査するとともに、コロナ禍で急速に普及したとされる新しい働き方(テレワークやギグワーク)の実態把握と定着の動向、人々の労働供給行動や生活時間の配分に及ぼす影響、そして働き方が健康や生産性に及ぼす影響を検証することを目的としている。具体的な研究内容としては、銀行データを用いたギグワーカーの労働供給行動の分析や、タイムユーズデータ等を用いたテレワークやギグワークの実態把握分析、民間企業から提供をうけた人事データや独自のオリジナル調査などを用いた多様な働き方と健康や生産性との関係との分析などを行う。 初年度にあたる2022年度は、主にギグワークの実態把握を目的として、某メガバンクと提携し、銀行口座の入金記録の経年データを用いた分析を行った。このデータは、デリバリー系のギグワークのプラットフォームのほか、ノンデリバリー系のギグワーカーも対象としたプラットフォームサービス各社からの入金記録の情報であり、コロナ前後のギグワーカー数の推移、入金の頻度、流動性制約と労働供給との関係などを分析した。 分析の結果、コロナ禍では特にフードデリバリー系ギグワーカーが急増したことが明らかとなったため、フードデリバリーギグワークに焦点を充てた分析を行った。分析結果をまとめたものをディスカッションペーパーとして発刊した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度にあたる2022年度は主にデータクリーニングと分析を実施することを計画していたが、初年度中に初稿を完成させ、ディスカッションペーパーとして発刊することができた。当初の計画以上のスピードで研究は進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目にあたる2023年度は、学術誌の投稿に向けて初年度に執筆した論文の改訂作業を行う予定である。また、テレワークをはじめとする多様な働き方の進展動向を分析するため、政府統計の個票データのクリーニング、データ解析を行うことや、多様な働き方が健康や生産性に与える影響について民間企業等から入手したデータを活用した研究を計画している。
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