2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22H00859
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
亀田 啓悟 関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (80286608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 智視 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (20410673)
国枝 繁樹 中央大学, 法学部, 教授 (40304000)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 財政危機 / 財政破綻 / 財政ファイナンス / 独自通貨 / 中央銀行の独立性 / 変動相場制 / ランダムフォレスト |
Outline of Annual Research Achievements |
欧州通貨危機を受け、中央銀行の財政ファイナンスに関する見直しの議論が進んでいる。しかし、これまで、財政ファイナンスは先進国にとっては「論外」であったため、先進国を対象とした財政ファイナンスは「研究の空白地帯」となってきた。そこで、本申請課題では「先進国において、独自通貨保有、為替相場制度、中央銀行の独立性が、財政と国債金利の関係、ひいては財政危機の発生確率にいかなる影響を与えるか」を検討する。具体的には、以下の3つの課題の分析を行う。 (分析1)独自通貨・変動相場・中央銀行の独立性が財政=国債金利関係に影響するかをLane(2003)の2段階推計手法により推定・検定する。(分析2)独自通貨・変動相場・中央銀行の独立性が公的債務デフォルトを誘発するかに関する決定木分析、ランダム・フォレストにより分析する。(分析3)コロナ禍により、財政危機に陥る公債比率である財政限界(fiscal limit)にどのような影響があるかをシミュレーション分析する。 2022年度は主に(分析2)について研究を進め、日本財政学会の日韓セッション(招待講演)で報告した。また関連研究として他に2本の論文の学会報告を行い、5本の論文を投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述の通り、本課題では以下の3つの分析を予定している。(分析1)独自通貨・変動相場・中央銀行の独立性が財政=国債金利関係に影響するかをLane(2003)の2段階推計手法により推定・検定する。(分析2)独自通貨・変動相場・中央銀行の独立性が公的債務デフォルトを誘発するかに関する決定木分析、ランダム・フォレストにより分析する。(分析3)コロナ禍により、財政危機に陥る公債比率である財政限界(fiscal limit)にどのような影響があるかをシミュレーション分析する。 2022年度は主に(分析2)について研究を進めたが、体調不良により年度内の海外学会報告ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
【現在までの進捗状況】の理由欄で説明した(分析2)については2023年秋に日本財政学会での報告を済ませ、2024年春に日本経済学会での報告も予定しており、海外学会での報告をスキップして投稿を目指すことにしたい。(分析1)については(分析2)のデータセット作成時の知見を活かし、早期に統計処理を済ませたい。(分析3)については(分析1)(分析2)終了後、直ちに開始することとする。
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