2022 Fiscal Year Annual Research Report
Identifying organizational antecedents for design thinking and exploring a effect of inclusion as a design strategy
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22H00886
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
後藤 智 立命館大学, 経営学部, 准教授 (50732905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 拓生 東洋学園大学, 現代経営学部, 准教授 (00835209)
八重樫 文 立命館大学, 経営学部, 教授 (40318647)
牧野 耀 金沢星稜大学, 経済学部, 講師 (60846723)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | Design thinking / Inclusion / Inside out |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、予定より先行してインクルージョンのデザイン思考への効果の定量評価を行い、その論文をこの分野でのメジャージャーナルであるCreativity and Innovation Managementへ投稿し、採択された。具体的には、組織のインクルージョンの高まりは、個々の従業員の内発的動機や創造的自己効力感、忍耐強さを介して、インサイドアウトの創造性を高めるという理論を提案し、それを定量調査によって検証した。これにより、デザイン思考はユーザーを観察することによるアイデア創発であるアウトサイドインと従業員一人一人が持つ社会への変化の仮説に基づいたインサイドアウトのアイデア開発の両者でインクルージョンが重要であることが明らかとなった。この結果は、デザイン思考プロセスやそれによる効果から、デザイン思考の実践を支える組織文化の研究に焦点が当てられているデザイン思考研究に、インクルージョンという組織論にて議論されてきた概念を導入するという重要な学術的貢献をおこなった。この研究のもう一つ興味深い結果として、インサイドアウトのアイデア創発の経験の有無が、媒介効果の影響に違いをもたらすことが明らかとなった。経験を持った従業員は、内発的な動機がなくてもアイデア創発が可能である一方で、経験がない従業員は内発的な動機がアイデア創発に大きな影響を与えるのである。これにより、インクルージョンを組織的に高めた場合でも、インサイドアウトの初心者には組織として内発的な動機に注意を払うことが重要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2021年度に実施していた予備研究の結果を学会発表を行なっていたが、その発表が評価され、Creativity and Innovation Managementへの投稿を推薦された。そのため、2023年度に予定していた本調査を前倒しを行い、論文を投稿し、採択された。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度に実施予定であった本調査が2022年度に前倒しとなったため、本年度はインクルージョンのデザイン思考への効果をより深く探索する。具体的には、インクルージョンの要素の一つである帰属意識に大きく関わる組織アイデンティフィケーションが、デザイン思考の問題定義・問題解決・解決策実行の3つのフェーズにどのように影響を与えるかを定量的に明らかにする。これにより、2022年度の研究にて個性と帰属意識を両立することがデザイン思考にプラスになることが明らかとなったことに対して、帰属意識と個性のバランスが崩れた場合にデザイン思考のフェーズにどのような影響が出るかを明らかにすることができ、インクルージョンのデザイン思考の効果への理論が深化する。
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