2022 Fiscal Year Annual Research Report
過疎内包型地域圏の生活持続モデルの構築と検証:地域生活構造分析による解明
Project/Area Number |
22H00906
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高野 和良 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (20275431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 努 神戸学院大学, 現代社会学部, 教授 (60174801)
牧野 厚史 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 教授 (10359268)
稲月 正 北九州市立大学, 基盤教育センター, 教授 (30223225)
加来 和典 下関市立大学, 経済学部, 准教授 (80214261)
速水 聖子 山口大学, 人文学部, 教授 (90271098)
山下 亜紀子 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (40442438)
松本 貴文 國學院大學, 研究開発推進機構, 准教授 (70611656)
益田 仁 中村学園大学, 教育学部, 講師 (20551360)
吉武 由彩 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (70758276)
井上 智史 九州大学, 人間環境学研究院, 講師 (00880460)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 過疎内包型地域圏 / 過疎地域 / 生活構造 / 人口減少 / 少子高齢化 / 社会移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、主に九州・中国地方の過疎地域と地方都市との関係に注目し、両者を過疎内包型地域圏として包括的に捉え、地域生活構造分析に基づき、人口減少に対応し得る過疎内包型地域圏持続モデルの構築と検証を行う。過疎地域を、過疎地域と非過疎地域(地方都市)といった静態的な2項対立図式から捉えるのではなく、過疎地域と関係する地方都市などを含む圏を地域圏として総体的に把握し、両者の動態的な関係分析を行うことによって、過疎地域単独での存続策を検討するのではなく、過疎内包型地域圏として持続可能な社会モデルの構築と検証を目的としている。 2022年度は、過疎内包型地域圏(山口県萩市田万川地区)を調査対象地域として、過疎高齢者の他出子を対象とした社会調査(予備調査)を実施した。田万川地区の集落のなかから数集落を選び、当該集落の全高齢世帯の全ての別居子(悉皆)を対象とした。調査票の配布回収方法としては留置調査として実施した(調査票を高齢者世帯に配付し、別居子からは郵送返送)。高齢世帯の高齢者に、「別居子調査票」と「返信用封筒」を封入した別居子送付用封筒を届け、高齢者から別居子に直接送付してもらうことで、こちらで他出子の氏名、住所等の個人情報を把握せずとも調査実施が可能となった。調査項目として、基本属性、交流頻度、社会的サポートの実態、Uターンの希望(同居の展望など)、現状の課題・不安感、希望する生活支援サービスなどを設定した。 しかし、新型コロナウイルス感染拡大によって、当初予定して実査の時期が2023年2月とずれ込むこととなり、集計と分析、さらに報告会実施を年度内に実施することが難しくなった。このため、翌年度への繰越手続きを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって、社会調査実施のために必要な民生委員をはじめとする協力者に対する現地での説明会などの実施を延期せざるを得なくなった。このため、実査時期が2023年2月となり、年度内に予定していた社会調査結果の集計と分析、さらに現地での報告会を翌年度に実施することとなったため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度には、予備調査として実施した他出子調査結果の集計と分析を行い、これらをもとに現地での報告会を実施することで、研究計画の遅れを取り戻せると判断している。 また、予備調査結果をもとに、調査票の配付回収方法の妥当性、調査項目なども検討を行い、本調査の実施に向けて準備を行う。調査対象地域として「離島」過疎内包型地域圏(鹿児島県大島郡伊仙町)、予備調査を実施した「過疎農村」過疎内包型地域圏(山口県萩市田万川)などにおいて本調査の実施に向けた準備を進めることとする。 また、研究推進のために遠隔会議方式も活用し研究会を開催し、研究分担者間の意見交換を行い、知見の共有を図ることとする。
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Research Products
(15 results)