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2023 Fiscal Year Annual Research Report

多様化する地域社会の存続にコミュニティ・キャピタルが与える影響に関する研究

Research Project

Project/Area Number 22H00908
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionIwate Prefectural University

Principal Investigator

吉野 英岐  岩手県立大学, 総合政策学部, 教授 (90305318)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 舩戸 修一  静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 教授 (00466814)
土居 洋平  跡見学園女子大学, 観光コミュニティ学部, 准教授 (00522559)
二階堂 裕子  ノートルダム清心女子大学, 文学部, 教授 (30382005)
大矢根 淳  専修大学, 人間科学部, 教授 (80281319)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2027-03-31
Keywordsコミュニティ・キャピタル / 地域社会 / 持続可能性 / 多様化 / 共同性
Outline of Annual Research Achievements

研究2年目にあたる令和5年度は、昨年度に引き続き、本研究の主題である多様化する地域社会におけるコミュニティ・キャピタルの在り方と、地域社会の存続への影響をみるために、研究枠組みの精緻化、研究のキーワードであるコミュニティ・キャピタルの概念の検討、現地調査の実施と結果の共有のために、研究会を3回開催した。また、研究枠組みの有効性を検討し、現地の状況について知識を得るための現地調査を2回実施した。さらに、それぞれの研究参加者が学会での報告を行い、そのなかで本研究の成果を活用した。
研究会としては、2023年8月2日(水)、2023年11月18日(土)、2024年3月16日(土)に専修大学神田校舎1号館・社会科学研究所で全員出席のもとで開催した(1回目はオンライン併用)。研究会では2023年度の科研費研究費の配分、今年度の現地調査計画、各自のこれまでの学会報告の概要の紹介、研究のキー概念・コミュニティ・キャピタルについての説明と討議、2023年度の現地調査の結果の共有が行われた。さらに、次年度以降の研究プロジェクトの進行予定について協議した。
現地調査は設定した4つの地域社会類型のうち、昨年度に現地調査を実施していなかったA=災害復興地域/被災避難地域として、宮城県石巻市と岩手県釜石市・大槌町を対象に合計2回実施した。現地調査からは被災地においてコミュニティ・キャピタルとなりうる有形無形の資源や共同行為について、新たな知見をえることができた。
今年度は研究チームとしての学会発表は実施しなかったが、個別の発表として、研究代表者の吉野が、11月4日・日本都市学会大会第70回大会で「被災地の郷土芸能の変容とコミュニティ・キャピタルの可能性」と題して、本研究プロジェクトに関連する発表を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究2年度目である令和5年度は、5月に新型コロナウイルスの区分が5類となり、移動や会議そして現地調査が実施しやすくなったことから、3回の研究会と2回の現地調査を実施した。
現地調査としては研究計画で想定している4つの地域類型のうち、令和4年度には未実施であった、類型Aにあてはまる調査地で現地調査を実施できた。また類型ごとの下位カテゴリーを設定しているが、A類型の2つの下位カテゴリーである災害復興地域として、岩手県釜石市、岩手県大槌町、宮城県石巻市小渕浜、被災避難地域として、宮城県石巻市大原浜、同中心市街地の周辺高台地区(集団移転地)で導入しているカーシェアリング活動について、調査を行うことができた。これにより、研究前半で4つの地区の類型すべてで、類型にあてはまる地域における現地調査を実施できた。なお類型Cの下位カテゴリーの1つである外国人集住地域については、研究チーム合同の現地調査は実施できなかったが、分担研究者の二階堂裕子が別途現地調査を実施しており、研究会を通じてその結果をメンバーで共有している。
また、研究会も現地調査の前後を中心に3回開催し、現地調査の結果の共有や研究枠組みの精緻化について比較的長い時間(1回あたり2~7時間程度を使って協議している。以上のことから研究はおおむね順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究の推進方策としては、研究3年目にあたる令和6年度では中間的な研究成果の公表と、研究3年度目に予定している配票調査を含む本調査の実施を目指す。そのために随時、研究会を実施して、研究枠組と主要概念の明確化、そして事例調査結果のとりまとめと比較検討を行う。
追加的な現地調査としては、これまで実施できなかった類型Cの下位カテゴリーの1つである外国人集住地域で研究チーム合同の現地調査を実施する。そのほか、研究分担者の調査フィールドのある山形県、静岡県においても追加的な調査を実施する。その結果を踏まえて、配票調査を含む本調査の実施枠組みを確定し、年度内での実施を目指す。
また、研究代表者および分担者全員が所属する学会(日本社会学会、地域社会学会など)の大会で研究チームとして合同の中間的な研究結果の成果を発表するほか、研究例会等で、個別の報告も随時行う。さらに学会発表の成果を生かして、本研究の課題設定に基づいた研究論文を執筆する。あわせて既存の統計や既存の学術論文を精査して、コミュニティ・キャピタル(有形共有・共用資源、ソーシャル・キャピタル、共同行為・協調行動)と地域社会の持続可能性の関連性を明らかにしていく。
コミュニティ・キャピタルという本研究の主要概念の精緻化は、今後の本調査さらには最終的な成果発表にむけての不可欠な作業であることから着実に実施し、研究メンバーでの共有を図る。さらに随時、社会学及び関連領域の多様な研究者から意見を聴取することで、概念の明確化と説明能力の向上を図る。

  • Research Products

    (20 results)

All 2024 2023

All Journal Article (7 results) (of which Peer Reviewed: 3 results,  Open Access: 4 results) Presentation (10 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results) Book (3 results)

  • [Journal Article] “らっつね”で語られる「浜の底力」の諸相―’22-23プレ・フォロー社会調査実習(石巻市小渕浜)のストリンガー式調査より―2024

    • Author(s)
      大矢根淳・礒部慎一
    • Journal Title

      専修人間科学論集社会学篇

      Volume: 14(2) Pages: 69-80

    • DOI

      10.34360/0002000568

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] アクションリサーチ意識化による調査研究・実践の変化と課題 ー山形県西村山郡西川町大井沢での実践を事例に―2023

    • Author(s)
      土居洋平
    • Journal Title

      跡見学園女子大学 観光コミュニティ研究

      Volume: 2 Pages: 249-56

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 開放的な<関わりの場>の形成と継続 -山形県西村山郡西川町大井沢の事例等を踏まえて-2023

    • Author(s)
      土居洋平
    • Journal Title

      関東都市学会年報

      Volume: 25 Pages: 2523-29

  • [Journal Article] 過疎地域における外国人技能実習生と受け入れ企業の相互依存関係――コロナ禍における国際移動の制限がもたらしたものとは何か2023

    • Author(s)
      二階堂裕子
    • Journal Title

      地域社会学会年報

      Volume: 35 Pages: 33-48

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 復興が拓く社会変動を多角的・長期的に俯瞰する2023

    • Author(s)
      大矢根淳
    • Journal Title

      評論

      Volume: 228 Pages: 4-5

    • Open Access
  • [Journal Article] ローカル・デフォルト認知のまちあるき2023

    • Author(s)
      大矢根淳
    • Journal Title

      地域防災

      Volume: 48 Pages: 4-7

    • Open Access
  • [Journal Article] 関東大震災100年:被災・復興と調査2023

    • Author(s)
      大矢根淳
    • Journal Title

      日本災害復興学会 News letter

      Volume: 44 Pages: 3-3

    • Open Access
  • [Presentation] 大規模災害からの復興の地域的最適解に関する総合的研究2023(4)リーダー調査からみた復興の「地域的最適解」-復興のリーダーシップのあり方と地域特性との関連性に関する比較分析-2023

    • Author(s)
      吉野英岐
    • Organizer
      日本社会学会
  • [Presentation] 被災後の郷土芸能の変容とコミュニティ・キャピタルとしての可能性2023

    • Author(s)
      吉野英岐
    • Organizer
      日本都市学会
  • [Presentation] 中山間地域における住民活動と自治会運営の再編:浜松市天竜区佐久間町のZ集落を事例として2023

    • Author(s)
      舩戸修一
    • Organizer
      日本社会学会
  • [Presentation] 開放的な<関わりの場>の形成と継続ー山形県西村山郡西川町大井沢の事例等を踏まえて-2023

    • Author(s)
      土居洋平
    • Organizer
      関東都市学会
  • [Presentation] アクションリサーチ継続に関わる困難と可能性―山形県西村山郡西川町大井沢での実践を事例に-2023

    • Author(s)
      土居洋平
    • Organizer
      日本社会学会
  • [Presentation] 外国人から「選ばれ続ける」事業所・地域社会に向けて――ベトナム人技能実習生を事例に2023

    • Author(s)
      二階堂裕子
    • Organizer
      国際開発学会
  • [Presentation] 地方都市における地域産業を支える外国人労働者――(4)家族農業経営における技能実習生受け入れの実態と課題2023

    • Author(s)
      二階堂裕子
    • Organizer
      日本社会学会
  • [Presentation] ベトナムの農業をめぐる社会的ニーズと技能実習生の生活戦略としての技能移転2023

    • Author(s)
      二階堂裕子
    • Organizer
      国際開発学会
  • [Presentation] 被災社会の視点から-『震災調査報告』をめぐって-2023

    • Author(s)
      大矢根淳
    • Organizer
      日本学術会議主催学術フォーラム「関東大震災100年と防災滅災科学」
  • [Presentation] 復興災害への社会的応答-東日本大震災にコロナ禍が被る多重災害(事前復興災害)の現場で-2023

    • Author(s)
      大矢根淳
    • Organizer
      第七回災後重建歴史社会学及社会治理国際検討会(中国四川省成都市)
    • Int'l Joint Research
  • [Book] 社会学で考えるライフ&キャリアー現代社会を歩く道しるべ-2023

    • Author(s)
      土居洋平(西村純子・池田心豪編)
    • Total Pages
      252
    • Publisher
      中央経済社
    • ISBN
      9784502464010
  • [Book] 地方発 多文化共生のしくみづくり2023

    • Author(s)
      二階堂裕子(徳田剛・二階堂裕子・魁生由美子編)
    • Total Pages
      269
    • Publisher
      晃洋書房
    • ISBN
      9784771037779
  • [Book] 災害復興学事典2023

    • Author(s)
      大矢根淳(日本災害復興学会編)
    • Total Pages
      308
    • Publisher
      朝倉書店
    • ISBN
      9784254500363

URL: 

Published: 2024-12-25  

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