2023 Fiscal Year Annual Research Report
コロナ禍における高齢者の生活機能に着目した認知症予防に向けた縦断研究
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22H00934
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya Women's University |
Principal Investigator |
竹田 徳則 名古屋女子大学, 医療科学部, 教授 (60363769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 寛 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (20387749)
加藤 清人 平成医療短期大学, リハビリテーション学科, 教授 (90741794)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 認知症予防 / 通いの場 / 社会参加 / 生活機能 / コロナ禍 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度実施日本老年学的評価研究会(JAGES)参加市町の調査データの提供を受け、2019年-2022年パネルデータベースの構築を行った。主たるデータ分析の着目として、2022 年時で通いの場関連の問を含む調査回答者を対象に、2019年時にADL が自立している者を分析対象とした。目的変数として、2時点間のIADLの変化、説明変数には、2022年通いの場参加状況として「2019 年以降参加」「2019 年以前から参加」「参加なし」「参加をしなくなった」、その他変数は、年齢、性別、所得、教育、外出頻度、歩行時間、主観的健康感、うつ (GDS15 項目版)、物忘れ、趣味、社会参加などとした。これにより、2時点間での通いの場非参加者に対して参加者ではIADL低下割合が少ない関連をまず示すことができれば、今後コロナ禍を経た中長期視点での認知症発症リスクの軽減を検討する際の貴重な基礎資料となり得る。 認知症予防に資する社会参加状況について、2020年-2021年JAGESプロジェクト参加6市町の通いの場参加1,302人(平均年齢77.8±5.9歳)における、通いの場参加が直接のきっかけとなり、新たに参加するようになった地域の会の有無とその内容を検討した。その結果、通いの場参加後に新たに地域の会へ参加するようになった者は556人,そのうち通いの場参加が直接のきっかけは341人(60.2%)だった。また,要介護認定リスクの高い外出頻度や歩行時間が少ない高齢者が含まれていることを確認した。そして新たに参加するようになった地域の会では、「運動の会」が278人(81.5%)と最も多く、「町内会・自治会」、「老人クラブ」の順に多かった。また、「運動の会」の内訳は「体操」、「散歩・ウォーキング」、「グランドゴルフ」が多かった。通いの場への参加は新たに他の会への参加を始めるきっかけになる可能性が高いと考えられた(投稿中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年度は、主としてJAGES2021年度実施調査データの横断分析及びJAGESプロジェクトにて2022年実施した調査と2019年のパネルのデータベースを構築し予備的分析を実施する予定であったが、データ構築後の精緻な分析には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度には、2022年実施したJAGESプロジェクト調査の横断分析及び、2019年-2022年パネルデータの精緻な分析を行う。本研究を着実に進めるうえで、研究分担者との情報交換を定期的に実施する。そして認知症発症と関連が示唆されている心理社会面の分析については研究代表者の竹田が主に担当し、生活機能面との関連を加藤氏が主担当となり分析を進める。また、地域間格差の有無や特徴については平井氏が分析を主に担う。2024年度分析を踏えて2025年度以降には、複数自治体の認知症予防効果の検証に向けて要介護認定データの分析準備とデータ提供をJAGESを通じて自治体に依頼する予定である。
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