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2023 Fiscal Year Annual Research Report

社会的養護を18歳未満で措置解除された若者の重なり合う困難と家族形成に関する研究

Research Project

Project/Area Number 22H00937
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionBukkyo University

Principal Investigator

長瀬 正子  佛教大学, 社会福祉学部, 准教授 (20442296)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 伊部 恭子  佛教大学, 社会福祉学部, 教授 (90340471)
新藤 こずえ  上智大学, 総合人間科学部, 教授 (90433391)
谷口 由希子  名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 准教授 (80449470)
永野 咲  武蔵野大学, 人間科学部, 准教授 (10788326)
松本 伊智朗  北海道大学, 教育学研究院, 特任教授 (20199863)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2027-03-31
Keywords社会的養護 / 退所者 / ケアリーバー / 健康リスク / 家族形成 / 再困難層
Outline of Annual Research Achievements

2023年度は、本研究の目的である児童養護施設等で育った若者の健康リスクと家族形成のプロセスについて下記のように研究をすすめてきた。
【調査1】養育者・支援者への面接調査は、インタビューをする予定の10施設のうち半数を実施することができた。2018年度に実施した自立援助ホーム退居調査において、支援者が「最も困難である」と捉えた事例の具体的な様相について時系列に沿って把握することができた。障害、それによってもたらされる学校からの排除等退居者が困難に陥るいくつかの背景が明らかとなった。
【調査2】退所者を継続的に追跡するパネル調査では、千葉県の退所者調査を千葉県のアフターケア機関とともに実施することができた。具体的には、2023年12月に質問紙調査を実施し224名の回答を得ることができた。児童養護施設(66.1%)と自立援助ホーム(21.0%)で育った経験をもち、男性が42.9%、女性が52.2%という結果であった。また、2024年1月から3月にかけて31名の社会的養護経験のある方にインタビュー調査を実施することができ、質問紙調査では把握しきれないケアリーバーの困難をインタビュー調査によって把握することができた。千葉県でアフターケアを担う事業所CANSとのつながりを得ることができ、今後、退所者の方の生活動態を捉えていくパネル調査についても実現できる可能性が高いと考える。
【調査3】妊娠・出産・子育てを経験した退所者への面接調査の調査については、前述した千葉県の退所者調査において複数名の妊娠・出産・子育てを経験した退所者のインタビューを実施することができた。
【調査4】海外訪問調査については、永野・長瀬がサポーターとして参与する社会的養護の当事者参画を進める団体IFCAとの交流のなかで、アメリカの社会的養護事情に触れ、調査実施の方向について検討を続けている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2023年度は、新型コロナウィルスの影響も弱まり、調査を前に進めることができた。
【調査1】養育者・支援者への面接調査は、予定している施設のうち、半数の施設に調査を実施することができた。
【調査2】退所者を継続的に追跡するパネル調査では、千葉県のアフターケア機関とともに社会的養護施設を退所して10年以内の退所者の実態について質問紙調査とインタビュー調査を実施することができた。千葉県でアフターケアを担う事業所CANSとのつながりも生まれ、継続的なパネル調査を実施する可能性が高まった。
【調査3】妊娠・出産・子育てを経験した退所者への面接調査については、千葉県の退所者調査を踏まえ、今後の具体的な調査設計に着手している。
【調査4】についても、2024年度訪問に向けて順調に情報収集することができている。

Strategy for Future Research Activity

2024年度以降は、本研究の目的である児童養護施設等で育った若者の健康リスクと家族形成のプロセスについて下記のように研究をすすめていく予定である。
【調査1】養育者・支援者への面接調査について、2024年度中に予定している施設への調査を完了する予定である。面接調査をとおして、困難に陥る若者の状況には障害や早期の学校からの排除等いくつか共通する困難が明らかとなった。今後分析をすすめ、何が困難をもたらすリスクとなっているのか、何が課題であるのかを明らかにしていく。また、2025年度においては、これらの研究成果を学会等で発表していく。
【調査2】退所者を継続的に追跡するパネル調査では、2023年度に実施した千葉県の退所者調査において質問紙調査およびインタビュー調査の分析をすすめ、夏ごろをめどに研究成果報告書としてまとめる予定である。2026年度には、第1回目パネル調査を実施できるよう準備を進めていく。
【調査3】妊娠・出産・子育てを経験した退所者への面接調査の調査については、【調査2】の千葉県退所者調査のインタビュー調査では複数名の妊娠・出産・子育てを経験した退所者が協力してくださった。これらの退所者のインタビューの分析をすすめ、女性ならではの困難さにどのようなものがあるかという点、社会的養護経験者ならではの困難さに着目しながらすすめていく。
【調査4】海外訪問調査については、永野・長瀬がサポーターとして参与する社会的養護の当事者参画を進める団体IFCAとの交流のなかで、アメリカの社会的養護事情についての情報収集をすすめてきた。また、オーストラリアのCREATE(クリエイト)という社会的養護の経験のある若者の活動に着目し、3月に訪問する予定である。

  • Research Products

    (15 results)

All 2024 2023

All Journal Article (6 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (3 results) (of which Invited: 1 results) Book (6 results)

  • [Journal Article] 社会的養護経験者による「伝えたいこと」と支援課題―全国調査自由記述内容の分析結果から2024

    • Author(s)
      伊部恭子
    • Journal Title

      佛教大学 社会福祉学部論集

      Volume: 20 Pages: 153,174

    • Open Access
  • [Journal Article] 子どもの「声」とその基盤 ―児童養護施設における『子どもの権利ノート』から考える2023

    • Author(s)
      長瀬 正子
    • Journal Title

      こころの科学

      Volume: 232 Pages: 35,40

  • [Journal Article] 『子どもの権利』を日常の言葉に ―保育の営みを考える2023

    • Author(s)
      長瀬 正子
    • Journal Title

      季刊保育問題研究

      Volume: 321 Pages: 8,21

  • [Journal Article] 児童養護施設等で育った若者のメンタルヘルスー自立援助ホーム退居者調査の結果から―2023

    • Author(s)
      谷口由希子
    • Journal Title

      精神科

      Volume: 42巻第5号 Pages: 611,616

  • [Journal Article] 18歳以降を支援するー「子ども」のその後とは2023

    • Author(s)
      谷口由希子
    • Journal Title

      月刊福祉

      Volume: 106巻5号 Pages: 29,32

  • [Journal Article] こども家庭庁設置の意義とその課題―子どもの権利の観点から―2023

    • Author(s)
      谷口由希子
    • Journal Title

      福祉のひろば

      Volume: 278 Pages: 30,35

  • [Presentation] 日米・当事者ユースの視点から虐待対応および社会的養護の視座を問う2023

    • Author(s)
      永野 咲, Madison Dao-whitten 中丸冬葵 ,宮崎奈々 , 長瀬正子
    • Organizer
      日本子ども虐待防止学会第29回学術集会滋賀大会公募シンポジウム
  • [Presentation] わたしの気持ちと子どもの権利2023

    • Author(s)
      長瀬正子・momo
    • Organizer
      日本子ども虐待防止学会第29 回学術集会滋賀大会大会企画ワークショップ1
    • Invited
  • [Presentation] 地方自治体が設置する子どもの権利擁護機関における権利の具現化および課題2023

    • Author(s)
      谷口由希子, 栄留里美, 吉池毅志
    • Organizer
      日本子ども虐待防止学会 第29回学術集会滋賀大会 自主シンポジウム
  • [Book] パラリンピックと共生社会2024

    • Author(s)
      久田 満(新藤こずえ分担執筆)
    • Total Pages
      196
    • Publisher
      明石書店
    • ISBN
      4750357294
  • [Book] チャイルドサイエンスに学ぶ楽々子育てガイド2024

    • Author(s)
      名古屋市立大学(谷口由希子分担執筆)
    • Total Pages
      120
    • Publisher
      中日新聞社
    • ISBN
      4806208116
  • [Book] 新版 貧困とはなにか2023

    • Author(s)
      ルース・リスター、松本 伊智朗、松本 淳、立木 勝
    • Total Pages
      388
    • Publisher
      明石書店
    • ISBN
      9784750356488
  • [Book] 子どもたちが望む「家庭的支援」 : 児童自立支援施設の職員と子ども調査から2023

    • Author(s)
      野田正人、相澤 仁、岩田美香、板倉香子(新藤こずえ分担執筆)
    • Total Pages
      240
    • Publisher
      生活書院
    • ISBN
      978-4-86500-161-7
  • [Book] 基礎ゼミ 社会福祉学2023

    • Author(s)
      與那嶺 司,渡辺 裕一,永野 咲
    • Total Pages
      184
    • Publisher
      世界思想社
    • ISBN
      4790717879
  • [Book] パーマネンシーをめざす子ども家庭支援―共通理念に基づくケースマネジメントとそれぞれの役割2023

    • Author(s)
      畠山 由佳子(編著) (著), 福井 充(編著) (著), 笹井 康治 (著), 伊藤 徳馬 (著), 榑沼 あづさ (著), 中島 尚美 (著), 橋本 達昌 (著), 永野 咲 (著)
    • Total Pages
      312
    • Publisher
      岩崎学術出版社
    • ISBN
      4753312348

URL: 

Published: 2024-12-25  

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