2022 Fiscal Year Annual Research Report
地域社会に公共性を涵養する教育実践の創造-生きづらさでつながる優しい社会をつくる
Project/Area Number |
22H00967
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Sapporo University |
Principal Investigator |
荒木 奈美 札幌大学, 地域共創学群, 教授 (20615182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 大樹 札幌学院大学, 人文学部, 准教授 (00638281)
本田 優子 札幌大学, 地域共創学群, 教授 (30405625)
武者 加苗 札幌大学, 地域共創学群, 教授 (60614980)
姉崎 洋一 北海道大学, 教育学研究院, 名誉教授 (80128636)
守屋 淳 北海道大学, 教育学研究院, 教授 (70230159)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 公共性涵養 / 高等教育 / 小中高大連携 / 地域共創 / ナイーブ・アート / 青年期教育 / Autoethnography / Everyday Creativity |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域社会に大学生と中高生が「優しさ」でつながる学びの場をひらき、「大人の論理」によらない公共性涵養の教育実践例を社会に向けて報告し、大学生が自らのアイディアで中高生と主体的に学びあう場の豊かさを全国に向けて発信することを目的とするものである。 2022年度は、本研究における実践活動の拠点となる現場のプラットフォーム作りに専念した。① 市内の小中高等学校に、「大学生が学習支援などの活動に携わりながら、学生たちの企画による自由な発想で小中高生と交流する活動」をするための許可を得た。② 札幌市が業務提携し継続的に若者支援を行なっている施設Youth+及び民間の若者支援団体等と繋がり、「大学生が自ら社会に出向き、自身のロールモデルを探すことで自己成長を促進する」活動に対する賛同と実践活動のための許可を得た。 ③ 何らかの生きづらさを感じている小中高生と大学生が「芸術活動を通して、言葉によらない方法で繋がり関わりあえる」次世代型交流の場を開いた。 今年度の成果として、国内外の既存モデルでは実現できない「学生たちが自分自身が日常的に各々の趣味や特技として実践している『自分の好き』から社会に働きかけること」が、学生たち自身にとっても、それを受け取る側である小中高生たちにとっても有益であるという実感を得た。2023年度はこの実感を基盤に置き、上記①②の活動を進める中で更なる成果と課題を見つけ出すとともに、③の実践として、Autoethnography、Everyday Creativityにおける自己認識の方法を研究基盤とし、ナイーブ・アートの普及活動を視野に入れた、芸術活動による実践的研究をさらに積み重ねて行く。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2022年度当初の計画では、2022-2023年度に国内外の類似の実践活動に学び、本研究課題を実現するためのプラットフォームづくりを行う計画であったが、想定したよりも順調に地域の関連団体等の協力体制が得られたため、計画を前倒しして実践活動を進めることになった。 研究実績の概要で報告した通り、当初の予想に反して活動の場所が3分野に分かれたこと、次年度計画している「芸術活動を通した次世代型交流の場」の開拓には特に時間をかけたいと考えていることから、2023年度計画していた海外視察は取りやめ、実践活動の方に専心したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
上記「現在までの進捗状況」に報告した通り、当初の計画を前倒しして2023年度より実践活動を始めることにしたため、2023-2024年度の2年間で実践研究を行い、2024年度末までにひとまず当該実践研究における成果と課題を関連学会等で報告する計画である。 その上で完成年度となる2025年度は地域を超えた全国規模での活動報告にまで広げていければと考えている。
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