2023 Fiscal Year Annual Research Report
Comparative Study on System Transformation and Fairness Perception in the Nation-wide University Entrance Examination
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22H00978
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木村 拓也 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (40452304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 克弘 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 客員教授 (90133610)
大塚 雄作 国際医療福祉大学, 赤坂心理・医療福祉マネジメント学部, 教授 (00160549)
林 洋一郎 慶應義塾大学, 経営管理研究科(日吉), 教授 (70454395)
西郡 大 佐賀大学, アドミッションセンター, 教授 (30542328)
立脇 洋介 九州大学, アドミッションセンター, 准教授 (50511648)
中世古 貴彦 九州産業大学, 基礎教育センター, 講師 (50757656)
竹熊 尚夫 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (10264003)
花井 渉 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (60783107)
田中 光晴 国立教育政策研究所, 国際研究・協力部, フェロー (00583155)
渡辺 雅幸 びわこ学院大学, 教育福祉学部, 准教授 (00780909)
牧 貴愛 広島大学, 人間社会科学研究科(国), 准教授 (80610906)
関口 洋平 畿央大学, 教育学部, 准教授 (90753640)
江幡 知佳 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 助教 (20908157)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 大学入学者選抜 / 公正知覚 / 国際比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,大学入学者選抜統一試験が、高等教育の大衆化・国際化・情報化という大きな変化の中で、如何に制度としての公平性・公正性を担保しているのかについて学際共同研究を行うものである。資格試験制度と選抜試験制度とがモザイク状に混在するアジア各国の大学入試制度に 着目し、時代の変化と共に制度設計が益々困難となりつつある、大学入学者選抜統一試験に焦点を当てる。本研究では、教育計画論の立場から 大衆化に代表される変化の中での大学入学者選抜統一試験の課題を理論的に精査し、比較教育学の立場からその制度変容(改革経緯)と制度設計 の具体を精査し、社会心理学の立場から受験生の納得感を公正知覚の観点で計量分析を行う。 具体的には、2023年5月に国際シンポジウム「韓国の大学入試における公平性」を開催した。令和5年度は、2年目の調査については、社会心理学に基づく公正知覚に関する研究を、中国400、香港165、台湾133のサンプルで、公正知覚に関する調査を行った。2024年3月発行の『九州大学大学院教育学研究紀要』26号に、「大学アドミッション専門職の職務領域と職能開発に関する韓日比較--職務能力、職務遂行要因、資格制度との関連」を共著で執筆し、『大学アドミッション専門職の役割と使命』(花書院)を出版した。香港とインドについても論文発表や学会発表を行った。 また、日本における大学入学者選抜改革のキーマンであった2人にオーラルヒストリーによる聞き取りを行った。『九州大学教育社会学研究集録』26号(2023年9月発行)と27号(2024年3月発行)に「大学入試キーバーソン オーラルヒストリー(1)大塚雄作」「大学入試キーバーソン オーラルヒストリー(2)荒井克弘」を掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
国際シンポジウムを開催し、韓国から、研究者の先生を招聘するなど、研究者ネットワークを発展させた。また、国際比較調査については、順調に進み、10カ国中、7カ国まで調査を終了した。今年度は、香港、インド、中国、韓国について、調査が進んだ。また、2022年に実施したオーラルヒストリーについても、今年度、原稿化が終わったことも大きな進捗であった。 加えて、当初計画になかった、中国や韓国の入試不正対策についての調査も進めることができ、当初の公正知覚だけの問題設定から、その裏返しとしての不正行為とその対策にまで研究が進捗したため、当初の計画以上に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の分析枠組を4層に設定する。1地域文脈(教育課程と大学入学経路の多様化、接続方法及び順序)、2テスト性能(目的・難易度・範囲)、 3実施側の論理(理念、資質・能力・属性、学生像、実施主体[政府の介入度を含む]、利害調整、4受験者側の心理(公正知覚)である。つまり、1 地域文脈と統一試験としての2テスト性能の組み合わせが、3実施側の論理を規定し、それと4受験者側の心理と利害調整した結果が「統一試験制度」であるとの仮説の元で分析し、各国における大学入学者選抜統一試験の制度設計における公平性・公正性担保の成立要因、及び、利害 調 整を比較可能な形で明らかにする。 令和6年度は、3年目の調査については、社会心理学に基づく公正知覚に関する研究を、マレーシア335 、インド410、韓国700のサンプルで、公正知覚に関する調査を行う。また、国際バカロレアの公正公平に関する情報収集も引き続き行う。統一試験制度については、中国・韓国・香港・ タイ・ベトナム、マレーシアのアジア各国の制度について、共通枠組みに基づいて、研究会を行う予定である。
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Research Products
(20 results)