2023 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Articulation Curriculum and its Evaluation Starting from Children's Experiences
Project/Area Number |
22H00990
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
岡花 祈一郎 琉球大学, 教育学部, 准教授 (50512555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 紀幸 神戸女子大学, 文学部, 教授 (10352808)
中西 さやか 佛教大学, 社会福祉学部, 准教授 (40712906)
武内 裕明 弘前大学, 教育学部, 准教授 (50583019)
倉盛 美穂子 日本女子体育大学, 体育学部, 教授 (90435355)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 接続期カリキュラム / 子どもの経験 / リゾーム / 評価 / 探究 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、子どもを理解する枠組みの検討および、具体的な幼保小接続のカリキュラムの検討を行った。 中西氏が令和5年にドイツのベルリンに渡航し、ドイツにおける観察とドキュメンテーションの調査を行った。そのなかで、子どものテーマや興味関心に焦点を当てた「自己形成ポテンシャル」といった独自の評価の視点に着目した。この「自己形成ポテンシャル」は、ドキュメンテーションや記録として残されるが、その内実は「経験しながらの観察」と呼ばれる現象学に近い自己内省的な記録の在り方であった。このようなドイツの「自己形成ポテンシャル」については、日本の子どもの内面を読み取る志向性とは異なる評価の在り方を示していると考えられる。 次に、武内氏と岡花が日本の幼児教育の実践のなかからカリキュラムの在り方について検討を行った。武内氏は、繰り返し行われる保育内容に対して保育者の支援の在り方につい具体的な事例検討を行った。また、岡花は、幼児期の探究概念の捉え直しとして、リゾーム的に広がる創発型のプロジェクト活動の可能性を示した。 このような知見は現在、各自治体で施行されている架け橋プログラムや各園校におけるアプローチカリキュラムとスタートカリキュラムに対して示唆を与えうるものであると考えられる。 以上のように、令和5年度は子どもの経験を理解する新たな枠組みの検討と幼保小接続カリキュラムとして、具体的な探究型のプロジェクトの可能性について一定の知見が得られたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、海外調査を含め実施することができた。また、国内の幼保小接続について先進的な取組みや実践をされている学校園に視察することができている。 これらの視察等から得られた知見をもとに、定期的に議論を積み重ね、学会発表等につなげることができた。 新しい子ども理解の枠組みの可能性がみえてきた反面、保育者がどうリゾーム的な子どもの発想を活かした生成的カリキュラムとして構築していくのかという点については課題としてみてきた点である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、前年度に引き続き、子どもの経験をとらえる枠組み、幼保小接続カリキュラム、そして、接続期の子どもの評価について検討を行っていきたい。特に、保育者の評価の枠組みについて、「幼児期の終わりまでに育って欲しい姿」と関連させながら検討すること、さらに、小学校教員が低学年の学びをどう読み取るのかといった評価についても連続性をもたせながらみていきたい。 協働的な研究を進めるために定期的に研究会を開催するとともに、学会発表や自主シンポジウムラウンドテーブルなどを企画して研究成果を発信し議論していきたいと考えている。
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