2022 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚情報処理障害の症状を示す小児の学習支援のための検査法および補聴技術の開発
Project/Area Number |
22H01034
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
阪本 浩一 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (10291593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 美樹 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助教 (10795735)
清野 健 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (40434071)
重松 大輝 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助教 (50775765)
瀬戸 俊之 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (60423878)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 聴覚情報処理障害(APD) / 聞き取り困難症(LiD) / 聴覚情報処理検査(APT) / 発達障害(神経発達症) / 脳機能評価(fNIRS) / 補聴援助システム / 補聴器・耳栓・ノイズキャンセルイヤホン / 教室音環境改善 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)「聴覚情報処理障害の症状を示す小児」の分析を行った。大阪教育大にて代表研究者が実施している調査から、小児の自覚症状が年齢の上昇に連れて継時的に上昇すること、本人の自覚症状と保護者の所見との乖離が年齢の上昇に連れて拡大すること。因子分析から聴覚的注意課題が最も検出率が高いことが判明した。結果より、小学校低学年の児童は自覚症状が乏しいこと、APDの症状の早期発見に検査機器を導入する必要性が確認された。 2)「小児のAPDの検査法の有用性」を検討した。代表研究者が実施しているAPD患者の集積調査の小児例について分析した。結果、小児は成人と比較し、APTの陽性率が高いことが判明した。小渕らのAPTの分析で、小児は、成人と比較し、分離聴力検査の文、早口音声聴取検査の2倍、1.5倍速、聴覚的注意課題の陽性率と誤答数、両耳交互聴検査で検出率が高かった。この結果より小児へのスクリーニング検査の検査項目の候補を選定した。また、小児例の全員に発達検査を実施し、発達障害をはじめとした、背景分析を実施し、小児APDへの介入時の基礎データを集積した。 3)本研究の特徴である、脳機能の評価のための機器の導入と調整を行った。検査機器には、島津製作所製fNIRSを購入した。脳機能の評価は、次年度以降に、前頭葉の注意機能の評価を、APT検査の実施中に測定し、聞き取りの困難の度合いを注意の違いで評価する予定である。 4)聞き取り困難を補助する試み:代表者の施設の小児APD例に対して、補聴援助システム、補聴器、耳栓、ノイズキャンセルイヤホンなどの使用例に対する自覚症状と機器試用状況の調査を実施した。結果、補聴援助システムの有効な例と使用困難な例があることがわかりその背景の分析を実施した。また、教室環境改善について、大阪教育大天王寺小学校において、スピーカー、マイクを使用した介入研究を外部企業と共同で実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点の進捗状況を、研究計画の概要に沿って報告する。 「小児用のAPD/LiD検査法の開発」に関して、小児の自覚症状が年齢の上昇に連れて継時的に上昇すること、本人の自覚症状と保護者の所見との乖離が年齢の上昇に連れて拡大すること。因子分析から聴覚的注意課題が最も検出率が高いことが判明した。次に代表研究者が実施している、APD患者の集積調査の小児例について分析した。結果、小児は成人と比較し、APTの陽性率が高いことが判明した。小渕らのAPTの分析で、小児は、成人と比較し、分離聴力検査の文、早口音声聴取検査の2倍速、1.5倍速、聴覚的注意課題の陽性率と誤答数、両耳交互聴検査で成人より検出率が高かった。この結果より小児へのスクリーニング検査の検査項目の候補に分離聴力検査、早口検査、両耳分離聴力検査を中心に選定した。また、小児例の全員に発達検査を実施しており、発達障害をはじめとした、背景分析を実施し、小児APDへの介入時の基礎データを集積した。本研究の特徴である、脳機能の評価のための機器の導入と調整を行った。検査機器には当初の計画通り、fNIRSの機種選定を行い、年度内に島津製作所製、fNIRSを購入納品を受けた。 「APD症状の評価法の開発」に関しては、教室現場の測定試料、APD児童の検査結果よりより教室現場に即したシュミレーションについて背景因子を含めて検討した。音源作成は未着手である。 「補聴技術の開発」に関しては。教室音環境計測分析に関して、大阪教育大天王寺小学校において、介入研究を外部企業と共同で開始、実施している。さらに代表者の施設の小児APD例に対して、補聴援助システム、補聴器、耳栓、ノイズキャンセルイヤホンなどの使用例に対する調査を実施した。結果、補聴援助システムの有効な例と使用困難な例があることがわかりその背景の分析を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点の推進方法を、研究計画の概要に沿って報告する。 「小児用のAPD/LiD検査法の開発」に関して、小児の自覚症状と小児APTの有効な項目が明らかになったことから、小児用簡易APTをAPT開発者と共に開発を行う。またアンケートに関しても、大阪教育大での結果より検査項目を絞った簡易検査を作成する。アンケートには、発達に関する項目はそのまま継続する。本研究の特徴である、脳機能の評価は、機器の導入と調整を行った。検査機器には当初の計画通り、fNIRSの機種選定を導入された機器を用いて、APT検査正常例の検査実行難易度を、前頭葉の注意機能から評価する手法のか確立を目指す予定である。 「APD症状の評価法の開発」に関しては、教室現場の測定試料、APD児童の検査結果よりより教室現場に即したシュミレーションについて背景因子を含めた検討結果を参考に検音源作成を実施する。 「補聴技術の開発」に関しては。教室音環境計測分析に関して、大阪教育大天王寺小学校において、介入研究を外部企業と共同で推進する。具体的に教室にスピーカー、マイクを導入、授業後の生徒の聞き取り状況の変化を評価する。。さらに代表者の施設の小児APD例に対して、補聴援助システム、補聴器、耳栓、ノイズキャンセルイヤホンなどの使用例に対する実証的な効果測定をfNIRSを使用して評価する試みを実行する。
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Remarks |
APD/LiDを研究するAMED研究と小児への対応を研究する科研費研究の現状と展開を公開するためのホームページ。
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Research Products
(8 results)