2022 Fiscal Year Annual Research Report
高校生から始める汎用衛星モデルによる実践的衛星開発カリキュラム実現に向けた研究
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22H01059
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Niihama National College of Technology |
Principal Investigator |
若林 誠 新居浜工業高等専門学校, 電気情報工学科, 准教授 (40462147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中谷 淳 愛知工科大学, 工学部, 准教授 (10413775)
今井 雅文 新居浜工業高等専門学校, 電気情報工学科, 助教 (10877260)
村上 幸一 香川高等専門学校, 電気情報工学科, 准教授 (40370035)
徳光 政弘 (徳光政弘) 米子工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60713930)
高田 拓 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 准教授 (80455469)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 人工衛星開発 / ものづくり教育 / オンライン講座 |
Outline of Annual Research Achievements |
人工衛星の開発は、機械・電気電子・情報などの分野横断的な知識・技術が必要であるが、 それぞれの技術革新に伴って人工衛星は小型化を遂げ、CubeSatと呼ばれる超小型人工衛星 が大学の航空宇宙工学の専門教育に導入されてきた。高専でもCubeSat開発の事例が数件あり、また近年では一般の高校生においても実際の衛星開発に携わる例が出てきている。 本研究では、これらをイベント的なプログラムに終わらせることなく教育効果を精査したうえで、様々なレベルにある学習者に対してアダプティブラーニングとして適用できるような教育プログラムを策定していく。 これまで高専での人工衛星開発に向け、主教材として活用してきたモデルCubeSatの改良をもとに、高校生から始められる実践的衛星開発カリキュラムの実現を目指している。具体的には、モデルCubeSatの製作とミッション企画・実施においてアダプティブラーニングの手法を取り入れ、個人レベルでの学習が可能なように刷新する。また、モデルCubeSatのミッション実施を基にした成層圏気球の実験機会を提供し、「えひめ宇宙フェスinなんよ」での気球甲子園等に出場することを目指す。更に、愛媛県立西条高等学校との連携において、モデルCubeSatの講座を試行してもらい、工業系ではない高校での講座実施において問題となる点を洗い出す。更にカリキュラム化に向けては本校にて単位化できるよう申請し、モデルCubeSatを用いた講座を展開する準備を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アダプティブラーニングとしては、個々の学生に対するリクエストにどのように応え得るかという点を検討し、高専スペースアカデミアで試行した。講座の実施に向けて教材の準備を行った。電源基板について改良する箇所を特定し、具体的な解決策を練った。成層圏気球の実験については、香川高専および産技高専の「えひめ宇宙フェスinなんよ」への参加によって、モデルCubeSatを経験した高専学生や高校生が参加する道筋を立てた。また、気球実験の運営側と接触して気球実験実施について情報共有を行った。愛媛県立西条高等学校との連携において、モデルCubeSatを作ってもらい、その問題点となるところを洗い出した。直接的な講義を2回行い、その後は遠隔で指導した。今年度の講座実施の中では、工業系以外の高校でも現状のテキストや資料を用いて、モデルCubeSatを組み立てた上である程度の実験を行うことが可能であると判断されたが、Linuxの詳細な使い方とか、これらのセンサ類で何を測れるのかといった基本的な所や、更にトラブルが発生した場合の対処法など、随時状況を確認して適切な情報を提供する必要がある。令和4年度にカリキュラム化の申請に必要な情報を整理し、関係部署に申し入れた。単位化する講座内容を絞った上で、令和5年度で更に試行する準備を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
高専スペースアカデミアの一環として、モデルCubeSatを製作してミッションを企画・実施し、発表するまでの流れを引き続き辿る中で、高校を含めたより広い対象者に向けての適切な教材のあり方を検討する。講座受講者には、昨年度までの実績を踏まえてより高度な内容に挑んでもらうよう促し、成層圏気球実験などを経て実践的な力を付けてもらう。
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