2022 Fiscal Year Annual Research Report
サイバーグ・ウイッテン理論の進化と4次元微分トポロジーへの応用
Project/Area Number |
22H01123
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 毅 京都大学, 理学研究科, 教授 (20273427)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | サイバーグ・ウイッテン不変量 / fiber bundle |
Outline of Annual Research Achievements |
解析的手法としてはBaraglia-Konno(A gluing formula for families Seiberg-Witten invariants, Geometry and Topology,24-3,1381-1456,2020)が導入した族のmod2 SW理論に、高次元微分トポロジーにおける手術理論の手法を組み合わせる事で実施する。族の4次元多様体は、トータル空間自身は5次元以上なので高次元微分トポロジーの手法が適用できる。今野・中村らとのこれまでの共同研究により、4次元多様体をファイバーとするコンパクトな位相的ファイバー束で、全空間は可微分だがファイバー束として微分構造を許容しない例を構成した。これはコンパクトのケースでは初めての例と思われる。この研究を発展させることで、4次元多様体をファイバーとするコンパクトな可微分ファイバー束の対で、位相的ファイバー束として互いに同型だが、可微分な同型を許容しない例を見つけた。この例も、この成果はProceedings of AMSに出版された。コンパクトのケースでは初めての例と思われる。 次に、サイバーグ・ウイッテン理論におけるsimple type予想は、非自明な不変量を与えるようなモジュライ空間のvirtual 次元に関する非常に一般的かつ難問である。これまでの研究成果として、Nakamura-Yasuiらと、mod2でsimple type予想を広い4次元多様体のクラスに対して示すことができていた。T.Kato, N.Nakamura, K.Yasui, The simple type conjecture for mod 2 Seiberg-Witten invariantsJ. Eur. Math. Soc. 25, 4869-4877 (2023). 今後は、これをmod p versionに拡張することで、mod p simple type予想に挑戦する. 現在のところある程度の成果があるので、さらにそれを発展させていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在のところ、研究は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、以下の研究を計画している。 (1) サイバーグ・ウイッテン理論におけるsimple type予想は、モジュライ空間のvirtual 次元に関する非常に一般的かつ難問である。それに対する知見を広めるために、mod pでsimple type予想に挑戦する。 (2) 非コンパクト空間上でのゲージ理論について、計算可能な手法を開発するために、被覆空間上でのl^{\infty}_S値の幾何解析を進展させる。
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