2023 Fiscal Year Annual Research Report
極小力学系から生じる作用素環と位相充足群の多面的な研究
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22H01126
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
松井 宏樹 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (40345012)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 作用素環 / 極小力学系 |
Outline of Annual Research Achievements |
カントール集合上の極小力学系からetale groupoidを構成し、そこからgroupoid C*環と呼ばれる無限次元の作用素環を構成することができる。このようなgroupoid C*環を解析したり、groupoidのホモロジー群や位相充足群の性質を調べることは、近年重要な研究課題として注目されている。一方C*環やC*環への群作用をK理論やKK理論によって分類するという方向も、近年著しい進展が多数得られており、研究は成熟期に差し掛かっている。このような背景のもと、カントール集合上の極小力学系から生じるC*環の研究は、C*環のK群による分類理論と極小力学系の構造の理解という二つの視点が交差する興味深い問題である。 当該年度においては、研究の幾何学的側面を補強するため幾何の素養を持つポスドクを任期付き特任研究員として雇用した。これにより、多様体へのリー群の作用や葉層構造の研究に対してもgroupoidの考え方が有効であることが分かり、葉層構造についての既存の結果をgroupoidを用いて強化・拡張できることが分かった。 Szaboらによる一連の研究により、純無限なC*環への従順な群作用の分類は大きな進展を遂げた。しかし安定有限なC*環への群作用の研究は未解明の部分が多い。一例として、無限型UHF環やJiang-Su環へのコサイクル作用の分類は探求する価値のある課題である。C*環の分類理論の最新の結果を援用することにより、Hirsch lengthが3以下のpoly-Z群の無限型UHF環へのコサイクル作用を分類する道筋を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
etale groupoidを通した極小力学系の解析について考察を進めつつ、作用素環への群作用についても少し進展があった。国内外の最新の研究動向について情報収集した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでと同様に、国内外の研究者と適切に連携を取りつつ、幅広い視点から情報を収集するようにつとめる。これまでの研究姿勢を維持し、多角的観点から本研究課題を推進していく。
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