2023 Fiscal Year Annual Research Report
Macroscopic structures governed by electron dynamics in non-equilibrium plasmas
Project/Area Number |
22H01195
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
蔵満 康浩 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (70456929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 直文 東北大学, 工学研究科, 教授 (20333859)
森高 外征雄 核融合科学研究所, 研究部, 助教 (20554372)
Morace Alessio 大阪大学, レーザー科学研究所, 助教 (70724326)
安部 勇輝 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (70817543)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | レーザー / プラズマ / 磁気リコネクション / トムソン散乱 / イオンラジオグラフ / レーザーイオン加速 |
Outline of Annual Research Achievements |
磁場やプラズマのエネルギーの変換器として様々な現象で本質的な役割を担う無衝突衝撃波や磁気リコネクションは、宇宙空間や実験室プラズマ中に普遍的に存在する磁気流体(MHD)的なマクロな現象である。その構造はMHD的に理解できるが、衝撃波の遷移層での散逸やリコネクションのトリガー機構、さらに非熱粒子の加速については、ミクロな物理が支配していると考えられている。本研究では、特に電子ダイナミクスに 着目し、非平衡プラズマ中のマクロ構造を支配するミクロな物理を、パワーレーザーを用いて実験的に研究する。 2023年度は、電子スケールの磁気リコネクションに関するReview論文を、Editorの依頼でSpringer Nature社の国際誌、Reviews of Modern Plasma Physicsに発表した。また、実験室における電子スケールの磁気リコネクション研究の最後のピースとして取り組んでいるレーザープラズマ中の電磁場の3次元のベクトル計測を行うため、固体飛跡検出器と機械学習を用いたイオンラジオグラフ計測を開発している。このため、イオンビーム生成のためのレーザーイオン加速と固体飛跡を用いたイオン計測、さらにここに機械学習を取り入れ、膨大な数のイオン飛跡を自動認識する手法を開発し、計測の専門誌に発表した。さらに、AIを用いた高エネルギーイオン加速の最適化や電磁場の再構築について数本の学術論文と内外の会議での成果発表をおこなった。 2023年度の実験は、阪大レーザー研のパワーレーザーGXIIレーザーを用いプラズマを生成し、磁場構造計測のためのイオンビームを高強度レーザーLFEXを用いて生成し、レーザープラズマ中の電磁場のイオンラジオグラフ計測を行った。2022年度の複雑な磁場構造を理解するため、セットアップをシンプルに対向流プラズマ中の不安定性の計測に切り替え、電磁場の再構築が可能か試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度もLFEXとGXIIを同時に用いるマシンタイムが採択されたため、実験セットアップをシンプルに対向プラズマ流の生成に変更し、不安定性起源の電磁場乱流の計測を行った。LFEXレーザーを用いたイオンビーム生成は実績のある独自開発のlarge-area susupended graphene (LSG)をターゲットとして用い、非相対論強度までLFEXをデフォーカスし、比較的大きな(~1 cm)視野を確保した。イオン検出器にはこれも独自技術である複数の固体飛跡をスタックで用いた。今年度は、不安定性を対向流を作るレーザーのエネルギーを非対称にすることでコントロールし、不安定性起源の波動の計測を行った。 同時に、電磁場の再構築は固体飛跡をイオン計測器に用い、AIを用いて自動認識した膨大なイオンピットの情報を用いる。まずは単純な電場や磁場の重ね合わせを用いて、イオンの散乱問題を学習データとし、AIを導入し逆問題を解くことで電磁場の再構築を行った。これまで難しかったベクトル電場と磁場の分離が2次元においては問題なく行えることがわかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、イオンラジオグラフに用いた固体飛跡のイオンピットの情報から、機械学習を導入してイオンビーム中のイオン一つ一つのエネルギーと位置情報を求め、さらにその膨大なデータを用い電磁場のまずは2次元の再構築を行う予定である。準問題を数値的に解き、逆問題の学習データとして用いる。手始めに輻射流体コードと流体コードを用いた不安定性のシミュレーションデータから電場を仮定し、ここにテスト粒子を導入し数値的なイオンラジオグラフを求める。既知の電場による散乱問題を学習データにニューラルネットワークを用いて逆散乱問題を解く。さらに、輻射磁気流体コードと磁気流体コードを用いた乱流磁場構造についても同様の手法で場の再構築を試みる。最終的には電場と磁場が混在する系、および3次元に一般化する。
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Research Products
(59 results)
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[Presentation] 波形整形レーザーを用いた中実球の高効率圧縮2023
Author(s)
瀧澤龍之介 , 長友英夫 , 有川安信 , 森田大樹 , 敦近原 , 前川珠貴 , 築道拓実 , King Fai Farley Law , 片桐健登 , 尾崎典雅 , 弘中陽一郎 , 重森啓介 , 藤域淳平, 安部勇輝 , 羽原英明 , 蔵満康浩 , 城崎知至 , 坂上仁志 , 中井光男 , 白神宏之 , 兒玉了祐 , 千徳靖彦 , 藤岡慎介
Organizer
日本物理学会第78回年次大会(2023年)
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[Presentation] 高エネルギーレーザー生成プラズマにおける磁気リコネクションの加熱・加速の直接計測とパラメータ依存性の検証2023
Author(s)
森田太智, 村本裕耶, 前之園凱夫, 金定功樹, 松清修一, 諌山翔伍, 忍田昂太郎, 松尾涼人, 児島拓仁, 東力也, 高橋健太, 山崎了 , 田中周太 , 相原研人 , 佐藤雄飛 , 塩田珠里 , 城所佑 奈 , 矢倉彰真 , 坂和洋一 , 江頭俊輔 , 前田亘佑 , 鈴木悠斗 , 花野正浩 , 蔵満康浩 , 富田健太郎 , Yimin Pan , 竹崎太智 , 小口拓哉 , 枝本雅史 , 境健太郎
Organizer
日本物理学会第78回年次大会(2023年)
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[Presentation] レーザープラズマを用いた磁気リコネクション実験におけるプラズマ加速と磁場変化の直接計測2023
Author(s)
村本裕耶, 森田太智, 前之園凱夫, 金定功樹, 松清修一, 諌山翔伍, 忍田昂太郎, 松尾涼人, 児島拓仁, 東力也, 高橋健太, 山崎了 , 田中周太 , 相原研人 , 佐藤雄飛 , 塩田珠里 , 城所佑 奈 , 矢倉彰真 , 坂和洋一 , 江頭俊輔 , 前田亘佑 , 鈴木悠斗 , 花野正浩 , 蔵満康浩 , 富田健太郎 , Yimin Pan , 竹崎太智 , 小口拓哉 , 枝本雅史 , 境健太郎
Organizer
日本物理学会第78回年次大会(2023年)
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[Presentation] レーザーイオン加速実験における多層シンチレータを用いた高エネルギーイオン計測2023
Author(s)
安井稔遥, 安部勇輝, 郡英輝 , 時安敦史 , 金崎真聡 , 田中周太 , 諌山翔伍 , 南卓海, 境健太郎, 浅井孝文 , 田口智也, 姫野公輔, 小田和昌, 鈴木蒼一郎, 二階堂颯佳, 倉本恭誓, 酒井優 一, 田中崇寛, ZechenLan, 余語覚文, 小平聡 , 早川岳人 , 福田祐仁 , 蔵満康浩
Organizer
日本物理学会第78回年次大会(2023年)
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[Presentation] RFフォームターゲットを用いたプロトンの航跡場加速の実証2023
Author(s)
諌山翔伍, 安部勇輝 , 蔵満康浩 , 南卓海 , 境健太郎 , 田口智也 , 小田和昌 , 鈴木蒼一朗 , 二階堂颯佳 , 倉本恭誓 , 安井稔遥 , 酒井優一 , 兼安祐実 , 山ノ井航平 , 福田祐 仁 , 今亮 , 桐山博光 , 近藤康太郎 , 陳仕宏 , 金崎真聡 , 浅井孝文 , 田中周太 , 小平聡 , 時安敦史 , 郡英輝
Organizer
日本物理学会第78回年次大会(2023年)
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[Presentation] 高強度レーザーとクラスターターゲットとの相互作用におけるプラズマミラーの効果2023
Author(s)
福田祐仁, 浅井孝文 , 鍛治賢志 , 田邉寛之 , 井上千裕 , 望月政一郎 , 尾崎玲於奈 , 豊永啓太 , 前川馨 , 安井稔遥 , 倉本恭誓 , 酒井優一 , 田中崇寛 , 小田和昌 , 鈴木蒼一 郎 , 二階堂颯佳 , 田口智也 , 姫野公輔 , 境健太郎 , 南卓海 , 蔵満康浩 et al.
Organizer
日本物理学会第78回年次大会(2023年)
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[Presentation] 大型レーザー激光XII号を用いた磁化プラズマ中を伝播する無衝突衝撃波の生成実験(6):2022年度までの進捗状況2023
Author(s)
山崎了, 田中周太, 河村有志郎, 正治圭崇, 冨谷聡志, 遠田裕史, 宮田親, 石坂夏槻, 角地真, 瀬井柊人, 河村璃子, 杉山慧, 鈴木大介, 相原研人, 神林荘汰, 佐藤雄飛, 椎名遼, 大林花織, 塩田珠里, 高田敦也, 松井啓一郎, 城所佑奈, 鈴木俊輔, 蔵満康浩 et al.
Organizer
日本物理学会第78回年次大会(2023年)
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[Presentation] 大型レーザー激光XII号を用いた磁化プラズマ中を伝播する無衝突衝撃波の生成実験(8):パルス磁場装置開発2023
Author(s)
竹崎太智, 小口拓哉, 松山隼, 重田宗明, 伊藤弘昭, 山崎了, 田中周太, 大林花織, 塩田珠里, 矢倉彰真, 近藤颯, 松清修一, 森田太智, 諌山翔伍, 坂和洋一, 佐野孝好, 蔵満康浩, 南卓海, 江頭俊輔, 富田健太郎, Yimin Pan, 太田雅人, 境健太郎, 枝本雅史
Organizer
日本物理学会第78回年次大会(2023年)
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[Presentation] 大型レーザー激光XII号を用いた磁化プラズマ中を伝播する無衝突衝撃波の生成実験(9):衝撃波の長時間発展と数値シミュレーションの比較2023
Author(s)
諌山翔伍, 忍田昂太郎, 松清修一, 森田太智, 長野鉄矢, 古川将大, Luo Haoyang, 松尾涼人, 児島拓仁, 東力也, 高橋健太, 中山学, 前之園凱夫, 村本裕耶, 金定功樹, 山崎了 , 田中周太, 大林花織 , 塩田珠里 , 矢倉彰真 , 近藤颯 , 坂和洋一 , 佐野孝好 , 蔵満康浩 , 南卓海et al.
Organizer
日本物理学会第78回年次大会(2023年)
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[Presentation] 大型レーザー激光XII号を用いた磁化プラズマ中を伝播する無衝突衝撃波の生成実験(10):衝撃波遷移領域における不安定性の直接計測と同定2023
Author(s)
前之園凱夫, 森田太智, 松清修一, 諌山翔伍, 松尾涼人, 児島拓仁, 村本裕耶, 金定功樹, 長野鉄矢, 古川将大, Luo Haoyang, 東力也, 高橋健太, 忍田昂太郎, 中山学, 山崎了 , 田中周太, 大林花織 , 塩田珠里 , 矢倉彰真 , 近藤颯 , 坂和洋一 , 佐野孝好 , 蔵満康浩et al.
Organizer
日本物理学会第78回年次大会(2023年)
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[Presentation] 大型レーザー激光XII号を用いた磁化プラズマ中を伝播する無衝突衝撃波の生成実験(11):磁場の向きと弧状衝撃波の形状2023
Author(s)
田中周太, 田中一詳, 境健太郎, 蔵満康浩, 當真賢二, 松本仁, 庄田宗人, 山崎了, 森田太智, 松清修一, 諌山翔伍, 竹崎太智, 佐野孝好, 大林花織, 塩田珠里, 城所佑奈, 鈴木俊輔, 矢倉彰真, 安部勇輝, 南卓海, 倉本恭誓, 二階堂颯佳, 田口智也, 姫野公輔, 石原大樹, 小田和昌, 鈴木蒼一郎et al.
Organizer
日本物理学会第78回年次大会(2023年)
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[Presentation] 高強度レーザーを用いたプロトンの航跡場加速2023
Author(s)
諌山 翔伍, 蔵満 康浩, 安部 勇輝, 南 卓海, 境 健太郎, 田口 智也, 小田 和昌, 鈴木 蒼一朗, 二階堂 颯佳, 倉本 恭誓, 安井 稔遥, 酒井 優一, 兼安 祐実, 山ノ井 航平 , 福田 祐仁, 今 亮, 桐山 博光, 近藤 康太郎, 陳 仕宏, 金崎 真聡, 浅井 孝文, 田中 周太, 小平 聡, 時安 敦史, 郡 英輝
Organizer
第40回プラズマ・核融合学会年会
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[Presentation] 高エネルギー密度プラズマを用いた磁気リコネクションの実験研究2023
Author(s)
森田太智, 村本裕耶, 前之園凱夫, 金定功樹, 尾川知也, 松尾涼人, 児島拓仁, 松清修一, 諌山翔伍, 忍田昂太郎, 中山学, 佐藤弓真, 高橋佳夏, 東力也, 高橋健太, 山崎了,田中周太, 蔵満康浩 et al.
Organizer
第40回プラズマ・核融合学会年会
Invited
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[Presentation] Optimization of laser-driven quantum beam generation and the applications with artificial intelligence2023
Author(s)
Y. Kuramitsu, C.S. Jao, Y.C. Chen, Y.L. Liu, S. Isayama, N. Saura, T. Taguchi, F. Nikaido, S. Soichiro, T. Minami, K. Sakai, K. Oda, K. Kuramoto et al.
Organizer
4th International Conference on Data-Driven Plasma Science (ICDDPS-4)
Int'l Joint Research
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[Presentation] Machine learning based analysis of etch pits on CR-39 detector for laser ion acceleration experiments2023
Author(s)
T.Minami, T.Taguchi, F.Nikaido, K.Sakai, S.Soichiro, N.Tamaki, Y.Abe, C.M.Chu, K.T.Wu, Y.T.Liao, W.Y.Woon, Y.Kuramitsu et al.
Organizer
3rd Workshop on Artificial Intelligence in Plasma Science (WAIPS-3)
Int'l Joint Research
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[Presentation] 高強度レーザーを用いた宇宙線加速機構の解明に向けた研究2023
Author(s)
S.Isayama, T.Sano, K.Takahashi and S.Matsukiyo, Y.Kuramitsu, Y.Abe, M.Takumi, K.Sakai Y.Kaneyasu, K.Yamanoi, Y.Fukuda, A.Kon et al.
Organizer
光・量子ビーム科学合同シンポジウム2023(OPTO2023)
Int'l Joint Research
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[Presentation] Exploring energy frontier in laser-driven ion acceleration with largearea suspended graphene with the aid of machine learning2023
Author(s)
Y. Kuramitsu, T. Minami, T. Taguchi, F. Nikaido, S. Soichiro, N. Tamaki, K. Sakai, K. Oda, K. Kuramoto, K. Ibano, S. Hamaguchi, Y. Abe et al.
Organizer
The 79th Fujihara Seminar(PHFS2023)
Int'l Joint Research
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[Presentation] Proof-of-principle experiment of induced Compton scattering: a laser-plasma interaction around extreme astrophysical objects2023
Author(s)
Shuta J.Tanaka, R.Yamazaki, Y.Kuramitsu, Y.Abe, T.Minami, K.Sakai, K.Himeno, T.Taguchi, K.Oda, S.Suzuki, F.Nikaido, K.Kuramoto, Y.Sakai, T.Yasui, T.Tanaka, et al.
Organizer
The 79th Fujihara Seminar(PHFS2023)
Int'l Joint Research
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[Presentation] Magnetic reconnection in laser-produced electron-magnetized plasmas2023
Author(s)
K. Sakai, T. Moritaka, T. Morita, K. Tomita, T. Minami, M. Ota, S. Egashira, Y. Sakawa, T. Takezaki, R. Yamazaki, S. J. Tanaka, M. Koenig, B. Albertazzi, P. Mabey, N. Woolsey, S. Matsukiyo, H. Takabe, M. Hoshino, R. Yasuhara, and Y. Kuramitsu
Organizer
International Conference on Inertial Fusion Sciences and Applications 2023
Int'l Joint Research
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[Presentation] The Development of a short pulse point neutron source with high intensity laser and a spherical shell target2023
Author(s)
Ryota MATSUURA, Yuki ABE, Alessio MORACE, Jinyuan DUN, Ryunosuke TAKIZAWA, Yasunobu ARIKAWA, Takumi MINAMI, Yuji FUKUDA, Hideaki HABARA, Yasuhiro KURAMITSU, Shinsuke FUJIOKA and Zhe ZHANG
Organizer
International Conference on Inertial Fusion Sciences and Applications 2023
Int'l Joint Research
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[Presentation] Monodirectional-drive spherically convergent plasma fusion for ultrashort-pulse point neutron sources2023
Author(s)
Yuki ABE, Ryota MATSUURA, Alessio MORACE, Jinyuan DUN, Ryunosuke TAKIZAWA, Yasunobu ARIKAWA, Takumi MINAMI, Yuji FUKUDA, Hideaki HABARA, Yasuhiro KURAMITSU, Shinsuke FUJIOKA and Zhe ZHANG
Organizer
International Conference on Inertial Fusion Sciences and Applications 2023
Int'l Joint Research