2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22H01204
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山ノ井 航平 大阪大学, レーザー科学研究所, 准教授 (30722813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 晃史 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (00260050)
原 正憲 富山大学, 学術研究部理学系, 准教授 (00334714)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 核融合燃料 / 水素同位体 |
Outline of Annual Research Achievements |
核融合炉発電は人類の夢のエネルギー源である。将来の核融合炉では固体の重水素(D)-トリチウム(T)燃料が使われる。核融合炉開発において 、燃料ペレット開発は核融合炉において極めて根幹を成す要素である。磁場核融合、慣性核融合の双方の大きな課題として、安全で高品質な固体燃料ターゲットを連続的かつ安定に作成する技術開発、そしてその燃料を炉内へ投入する技術開発がある。これら固体燃料技術を設計・確 立 するためには、燃料となるDTの物性データが必須である。依然として60年以上前に取得された温度と密度の古い不確かな相関データを基に 、各物性やパラメータを推定しているのが現状である。燃料の固化過程においてDとTに偏りが発生した際、核融合炉の運転に大きな支障をもたらす可能性がある。本研究では、磁場核融合、慣性核融合双方の原型炉における安全で安定な固体DT燃料ペレットの作成・投入プロセスの設計確立を実現するための、固体燃料ペレットの検査手法の開発を目的とする。固体DTの詳細な屈折率データを得ることで、固体燃料ペレットの均一性、DとTの分布 、 燃料の投入量が光学的に実測可能になる。実際にT2及びDTを18 K以下に冷却して固化し、i)DとTの比率を変化させた時の固体DTの屈折率、ii) 固化によるDとTの非一様性の観測、iii)屈折率の波長と温度依存性を測定し、固体燃料ペレットの光学計測を可能とする。 これまでに、i)DとTの比率を変化させた時の固体DTの屈折率、に基づき、DTの屈折率及びH2とD2を混合させた屈折率の測定を実施した。本年度 は、ii)固化によるDとTの非一様性の観測に取り組んだ。まずは放射性物質の無いコールド実験として、H2及びD2の混合ガスを極低温で固化させ、その際に固化点の違いからくる空間的な同位体の偏りを測定し、分離比を求めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画の通りH2及びD2の混合ガスの固化を実施し、分離の計測に成功した。これはT2にも同様に分布が発生することを意味しており、核融合燃料の開発として重要な懸念事項であることを見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の研究でH2とD2の固化過程での偏りの発生を観測した。本手法を実際の炉設計で応用できる検査手法として用いることを目指し、開発を進める。実際の燃料ではH2とD2だけでなくHD分子も混合しており、3体の分布の測定が必要になる。そのため、屈折率分散を利用した測定により、3体の分布測定を実現する。そのために、これまでにデータのない固体D2の屈折率分散の測定を実施する。
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Research Products
(2 results)