2022 Fiscal Year Annual Research Report
Generation of highly collimated electron beam for fast ignition of laser fusion
Project/Area Number |
22H01205
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
羽原 英明 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (60397734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長友 英夫 大阪大学, レーザー科学研究所, 准教授 (10283813)
城崎 知至 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (10397680)
坂上 仁志 核融合科学研究所, 研究部, 教授 (30254452)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 集束電子ビーム / 低効率勾配 / 自己生成磁場 |
Outline of Annual Research Achievements |
本事業においては集束電子ビームを形成させるため、高強度レーザーと相互作用するプラズマの得意な形状、特に低密度プラズマチャンネルの計測が鍵となっている。そのためにピコ秒レーザーの購入を計画していたが、申請時には予想できなかった急激な円安に伴う装置を構成する資材の不足により、当初購入を予定していたレーザー装置一式の入手困難であることが判明したため、10ヶ月の延長申請を行った。延長後はピコ秒の時間分解能を持たせるためのプローブ計測手法の基礎設計を行った。 またこの延長のため、集束電子ビームを形成する別の手法の検討を始め、高密度プラズマ中に抵抗率勾配を作り出すことによって、高速電子流がその勾配中を伝搬することによって形成する自己生成磁場によってその流れを制御し、電子ビームを収束する手法を考案した。固体ターゲットを用いた原理実証はすでに行われているため、我々は高密度プラズマ中にそのような構造を構成する手法を考案し、爆縮用球状ターゲット中にマイクロサイズの金属ワイヤを埋め込むことを考案した。ワイヤには加工が容易でかつ原子番号が高く、燃料となる水素や炭素のイオンと比べて十分高い抵抗率勾配の形成が可能であるニッケルを選択した。ニッケルワイヤの長さや直径を変化させつつ、放射流体コードを用いて爆縮時のプラズマの様子を計測したところ、ニッケルイオンが一方向に飛び出すことが予測され、爆縮プラズマ中に抵抗率勾配を形成することに成功した。その条件をもとに粒子シミュレーションを行ったところ、キロテスラに及ぶ自己生成磁場の形成を確認でき、これにより2倍程度の収束効果を得られることを確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画を変更後は予定通りプローブ計測手法の基礎設計ができたが、その原理実証実験で使用を予定していたレーザーシステムが故障したため、本研究課題を遂行する上で重大な支障をきたすことになった。そのため、レーザーシステムの修理を行った。新しい提案である抵抗率勾配による自己生成磁場で集束電子ビームを生成する手法において、爆縮プラズマ中にその構造を作り出す目処をつけることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
レーザーの応急修理ができたので、所定のエネルギーやパルス幅がえられているか確認後、原理実証実験を行う。また新しく考案した抵抗率勾配を用いた自己生成磁場による電子ビーム集束に関しても、異なる抵抗率をもつ金属固体を用いた原理確認実験を同様に所持している超短パルスレーザー装置を用いて行う。
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Research Products
(8 results)