2022 Fiscal Year Annual Research Report
Xi-hyper nuclei spectroscopy with thick nuclear targets and silicon strip detectors
Project/Area Number |
22H01242
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
時安 敦史 東北大学, 電子光理学研究センター, 助教 (40739471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮部 学 東北大学, 電子光理学研究センター, 助教 (10613672)
藤岡 宏之 東京工業大学, 理学院, 准教授 (30513395)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ハイパー核 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、大規模陽子加速器施設J-PARCのハドロンホールのK1.8ビームラインにおいて計画しているホウ素標的を用いた、(K^-,K^+)反応によるグザイハイパー核探索実験の検出器開発を行っている。同ビームラインでは、世界最大強度のK^-ビームを用いた固定標的実験を行うことが可能である。また、同ビームラインに設置されたS-2Sスペクトロメータを利用し、高精度で質量欠損分布を決定し、グザイハイパー核の束縛エネルギーや収量から、ストレンジネスクォークを二つ含むグザイと中性子、もしくはアルファ粒子間の相互作用を詳細に解明することを目指している。これらの情報を得ることにより、核子間に働く核力モデルをハドロンーハドロン間の相互作用まで拡張することが可能となる。 今年度は、粒子識別検出器や崩壊粒子を測定する飛跡検出器を含む(K^-,K^+)反応によるグザイハイパー核生成反応のフルシミュレーションを実施した。そこで、標的厚さ、飛跡検出器の分解能、設置位置、枚数などを変更し、イベント収量が最適になるような条件を見出した。また、ホウ素標的に関して、純粋なホウ素10標的でなく、炭素ホウ素標的を用いた場合の実験妥当性に関して検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、J-PARC K1.8ビームラインにおいて、グザイハイパー核を生成し、その崩壊粒子であるパイ中間子を同定することにより、生成点の高精度決定を試みる。しかしながら、J-PARC K1.8ビームラインのビームタイムの変更、使用機器の調達について申請当初から変更が見られたため、研究の状況はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗状況を踏まえ、新規に半導体検出器のテスト基板について作成の検討を行う。具体的にはBelle-II実験で用いられているAPVチップの使用を検討する。また、同時に製品化されている半導体検出器の使用、また、シンチレーティングファイバーを用いたトラッカーの使用についても検討を行う。これらの変更によって、安価に検出器を開発することが可能となる。
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