2023 Fiscal Year Annual Research Report
Reconstruction using high-statistics photon data in the era of X-ray spectroscopy
Project/Area Number |
22H01277
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
前田 良知 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (80342624)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森井 幹雄 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 任期制職員 (90392810)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | X線天文学 / 像再構成 / X線光学系 |
Outline of Annual Research Achievements |
精密X線分光時代の高統計光子データを使った再構成により新分野を開拓を目指している。 大有効面積による高統計の Hitomi HXT のデータに適用を進め、論文化を実施した (Morii, Maeda et al. 2024 PASJ,psae008 「Hitomi-HXT deconvolution imaging of the Crab Nebula dazzled by the Crab pulsar」)。 ASTRO-H搭載の硬X線望遠鏡のかに星雲の画像に、独自に構築した像再構成と自分自身のデータを使った自己キャリブレーション法を適用し、世界で初めて15 keV 以上の硬エックス線のシンクロトロンリングの撮像を実現した。リングはエネルギーが高くなるほと縮小しており、シンクロトロン放射によるエネルギーロスの姿を明らかになったのではないかと考えている。 像再構成型望遠鏡の開発も進め、集光部を担うKirkpatrick-Baezミラーの試作を実施した。内部応力を持ち込みにくいシリコン結晶を200umの超薄型で加工を実施し、X線で反射することを検証した。CubeSat を想定し、10cm角程度のKirkpatrick-Baezミラー型の光学系を実際に組み上げた。実際に宇宙科学研究所30mビームラインにて集光像を取得できた。測定結果の問題点等を拾い上げているところである(松本 2024 修士論文)。来年度の開発に向けて、課題を整理している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々が独自に開発した像再構成のソフトウエアを実際に大有効面積による高統計の Hitomi HXT のデータに適用に成功し、論文化を実施できた。世界で初めて15 keV 以上の硬エックス線のシンクロトロンリングの撮像を実現し、当研究の狙いの一部を実現できたと考える。また、当科研費で開発した像再構成ソフトウエアも github 上に公開し、世界中のユーザーに利用いただける環境を整えている。 また、XRISMの初期観測を開始することができ、高精度分光装置 Resolve の新しい高統計のデータの取得を開始した。今後、このデータの解析を進め、像再構成の適用可能性を探り、当研究の次の計画へと発展させられるかを模索する。 一方新しい像再構成の光学系は集光部の試作を実施した。性能としては十分なものが作成できていなかったが、今後の開発を進める上での問題点を洗い出すことができている。残りの予算は限られているが、少しでも問題点を解消して、今年度性能向上を測りたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
我々が独自に開発した像再構成のソフトウエアの適用範囲を広げ、高統計一般のデータを使って新たなサイエンスの開拓を目指す。また、像再構成型の光学系を試作し、ソフトウエアと組み合わせ新たな望遠鏡の検証を行う。
|
Research Products
(6 results)